④授乳の仕方について

授乳の仕方について:カルテ1

生後1ヶ月の赤ちゃんがいます。
8:00~8:55くらいまで飲み続ける、下ろすと5分後にはもう泣くので困っています。母乳のあと、げっぷさせないといけないと思うが、これだとできないです。最初の吸いつきはよいのですが、だんだん弱くなる感じです。

母乳110番より

母乳の子の場合、必ずげっぷをするわけではありません。絶対にげっぷをさせないといけないと思い込んでいる人が多いのですが、そんなことはないので、心配いらないと思います。
それにまだ飲む力が弱いので、しっかり深くくわえさせてみてください。それからママの姿勢は背中などにクッションを当てて、胸を張っていばった感じの「女王様」授乳をしてみてください。ママが前かがみになると、どうしてもくわえ方が浅くなりがちです。
飲み終わった後に、しばらく抱っこしてヨシヨシしてから寝かせましょう。
お子さんを布団に下ろしたあと、急に離れると、赤ちゃんがびっくりして泣くことがあります。布団の上で抱っこしたまましばらくママの胸を赤ちゃんのおなかにつけてあたためてあげると、ほっとして落ち着く場合があります。落ち着いたら、そーっと離れてみましょう。
また、丸めたタオルなどを赤ちゃんのひざの下に置いて足を持ち上げて、背中が少し丸くなるようにして寝かせると、落ち着くことがあります。ママのおなかの中にいたときの姿勢に近づけるのです。

授乳の仕方について:カルテ2

生後5ヶ月の赤ちゃんがいます。
SSサイズのゴム乳首を使って10分くらいで飲んでいたのですが、その後、最近、通販でしか売っていない、母乳派推薦のゴム乳首のSサイズに変えたところ、5分で飲むようになってしまいました。1回100cc~150㏄くらいの粉ミルクを足しています。
以前、生後2ヶ月くらいのとき、「カラ吸いしている」と言われました。そのときに添え乳を教えてもらったのですが、「頻回授乳をするのは1ヶ月くらいにしましょう」と言われたので、そんなに年中あげてはいけないものと思い、1日6回くらいの授乳にしています。免疫アップのためにも母乳を少しでも続けたいです。

母乳110番より

赤ちゃんの胃袋はすごく小さいので、母乳育児の場合、少量頻回授乳が基本です。少しの量を何回も(1日10回以上は)飲むことで1日の総量が足りるのです。1日6回に母乳の回数を減らして、粉ミルクの量を増やすことで、母乳の分泌が落ちていっているのではないかと思います。母乳の回数は、1日8回以上あげましょう。10回以上あげる日があっても大丈夫です。「頻回授乳をするのは1ヶ月くらいにしましょう」というアドバイスは、「長期間、頻回授乳をがんばると疲れてしまうのでは」という配慮だったのだと思います。

「少しでも母乳を続けたい」とのことですから、以下のことに気をつけて授乳してみてください。

・ゴム乳首をSSサイズに戻す。母乳によさそうな名前がついていても、母乳を続けにくくなるゴム乳首があるようです。可能であればスプーン授乳やカップ授乳を試してみる。ゴム乳首のかんたんな吸い方を赤ちゃんにできるだけ忘れてもらいましょう。
・母乳を先に飲ませてミルクはあとにする。赤ちゃんが泣いたら、ゆっくりと話しかけてなだめながら、おっぱいを吸わせる。
・一度にあげる粉ミルクの量を80cc以下に減らす。ギャン泣きして母乳を受けつけない場合には、先に粉ミルクを少しあげて落ち着かせてから母乳、としばらく順番を逆にしてもよい。
・ミルクの量を徐々に減らして30ccくらいまでもっていく。
・混合でも粉ミルクでも母乳育児でも、どれを選んでもよいです(目的は母乳をあげることではなく、楽しく育児して、子どもが育つことなので)。
・この方法は、ママ自身の決意(意外と強い意志)を必要とします。専門家のケアや相談窓口、母乳のママ友など、伴走者を探してみましょう。
・家族の理解があるとママの支えになります。こうした母乳育児情報を見てもらうなどして、できる範囲で母乳育児の正しい知識を得てもらうとママの気持ちが楽になります。

授乳の仕方について:カルテ3

1ヶ月半の赤ちゃんがいます。
混合育児中ですが、粉ミルクをつくるのが大変だから、冬までに母乳のみにしたいです。
生後1ヶ月を過ぎてから夜の授乳は5時間空いたりしていますが、胸が張って痛いです。昼間は6~7回の授乳で、10分づつ左右あげたあとに、毎回、粉ミルクを60cc足しています(新生児のときも60~80cc足していた)。
いつも同じ向きであげているので背中が痛いです。正しい姿勢を知りたいです。なんとなく、浅い飲み方なのではないかと自分では思っています。それに、あごを使ってごくごく飲む感じが1日に1回くらいしかない。
赤ちゃんがパクパクしなくても、母乳を欲しがっているときがあるのでしょうか?

母乳110番より

ごくごく飲む感じになるようにするには、ママのおっぱいを赤ちゃんに深くくわえてもらいます。乳輪部に赤ちゃんのくちびるが当たるようにします。赤ちゃんのこめかみが動くような、満足感のある飲み方にチャレンジしてみましょう。
夜中に5時間空くと、ママのおっぱいが痛いのですね。そういうときは、もしできれば、3~4時間くらいで赤ちゃんを起こして、おっぱいを吸わせてみましょう。夜中に1~3回くらい授乳すると、ホルモンがよく出て、母乳の量が増えます。
また、まだ1ヶ月半ですし、昼間も回数を増やし、たとえば7~8回以上あげてもいいです。粉ミルクの量を少しずつ減らしたり、夜中は母乳だけにするのも、母乳を増やすことに役立ちます。

また、いつも同じ姿勢で授乳していると、背中が痛くなりますよね。「正しい」授乳姿勢というよりも、ママにとってラクな姿勢を探してみましょう。背中にクッションなどを置いてもたれかかり、ママがラクな姿勢をとって、そこに赤ちゃんの口をもっていくイメージで授乳してみてください。背中の痛みが取れて、固くなった背中がほぐれて血行がよくなると、おっぱいの調子もよくなっていきます。
口をパクパクして欲しがっていなくても、くわえさせていいです。母乳の子の場合、泣きだす少し前のモゾモゾした段階でくわえさせると、うまくいきます。「おなかすいたの?おっぱい飲む?」などと優しく声をかけながら授乳してみてください。
そして、乳首のねじり飲みや引っ張り飲みをしないように気をつけましょう。赤ちゃんとママのおへそが向き合っているかどうか、確認しながら授乳してみてくださいね。