よくあるご相談

ママと赤ちゃん

1 不足感・不安

カルテ1

生後1ヶ月半の赤ちゃんがいます。母乳不足のような気がします。赤ちゃんはくわえて飲んでくれるけれど、途中からうなり始め、引っ張ったり離したりして、きげんがわるくなります。

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不足感・不安について:カルテ1

生後1ヶ月半の赤ちゃんがいます。母乳不足のような気がします。赤ちゃんはくわえて飲んでくれるけれど、途中からうなり始め、引っ張ったり離したりして、きげんがわるくなります。

最初の方はガブガブ飲むのですが、後半は遊び飲みでパクパクやっているので心配。そういうときはいったん授乳をやめて、またあとであげた方がよいのでしょうか。

以前、2週間くらい赤ちゃんだけで入院していたのですが、そのとき病院では粉ミルクを「毎回80cc足すように」と言われていました。今はぐずっているときだけ40ccを1日に2~3回ぐらい足していて、あとは母乳です。母乳の量を増やす方法を知りたいです。

母乳110番より

うなり泣きは、飲みすぎのサインと言う意見もありますが、引っ張ったり離したり、パクパク。心配ですね。

まずは赤ちゃんに乳輪部までしっかり深くくわえてもらって、おっぱいの奥からわいてくる母乳を飲んでもらいます。うなったり引っ張ったり、くちゅくちゅしてもごくんごくん飲む様子がなかったりするときは、ひとまず、一時的に5分5分くらいのイメージで遊び始めたら授乳を切り上げる感じにしてみてはどうでしょう。落ち着いたら、もっと長い時間、授乳して大丈夫です。

ただし、頻回授乳(1日に10回以上、こまめに授乳する)をします。赤ちゃんの胃袋はとても小さいので、いっぺんにたくさん飲めません。生後6ヶ月くらいの子でも1回の量は60ccくらい、ちょこっと飲んで10ccのときもあります。少量をちょこちょこと回数を多く飲むことで、1日の総量が足りているのが母乳育児の姿だそうです。

赤ちゃんが、パクパクだけではなくモゾモゾして探すようなしぐさをしていたり、ちょっと欲しがっているような気がしたら、時間を気にせず、いつでも授乳してみてください。夜中も2回は授乳し、1日を通しての回数をかせぎます。
また、しめつけるタイプのブラジャーではなく、ゆったりしたブラ(ノ―ブラでもよいくらいです)にするのもおすすめです。

カルテ2

生後2ヶ月の赤ちゃんがいます。混合育児をしています。足りているのかどうか知りたいです。体重は1日あたりの増え方が25~30グラムくらい。1回の授乳がおっぱい左右10分ずつ、全部で20分、そのあとは、口を離して泣くのでミルクを90cc足しています。

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不足感・不安について:カルテ2

生後2ヶ月の赤ちゃんがいます。混合育児をしています。足りているのかどうか知りたいです。体重は1日あたりの増え方が25~30グラムくらい。1回の授乳がおっぱい左右10分ずつ、全部で20分、そのあとは、口を離して泣くのでミルクを90cc足しています。

1日のトータルで粉ミルクを300~360ccくらいあげているのですが(以前は400ccくらいあげていた)、赤ちゃんは、いつもぐずっている感じです。
しかもうんちが出ない。3日に1度、綿棒で刺激しても出ないので、小児科医に相談したところ、体重も聞こうとせずに「もうちょっと粉ミルクをあげればうんちが出るんじゃない?」などと言われただけでした。

母乳を増やしたいのですが、いっぽうで、夕方はミルクを足してラクしたい気持ちがあります。夕方はおっぱいをあげても1~2分で泣き、吸わなくなるのでミルクをあげています。このままでよいでしょうか。

母乳110番より

お話を聞いていて、むしろ「飲みすぎではないか?」と思いました。
粉ミルクは、飲んでいる間、味も、濃さも、成分も同じです。でも、母乳は飲み始めと飲み終わりとで、ふくまれる脂肪の量がちがいます。最後の方は濃い母乳になって、自然と満腹感を感じて飲み終えられる作用があるのです。
そのため、粉ミルク育児や混合育児では、粉ミルクを必要以上に飲ませすぎてしまう場合があります。粉ミルクの缶には驚くほどの量が書いてあるので、あげる大人も違和感がないのですが、実際には飲ませ過ぎとなっていて、おなかが張って苦しくてぐずったり、うなり泣きをしたり、消化不良による便秘の原因になっていることがあります。

また、ほ乳ビンのゴム乳首は、お母さんのおっぱいの乳首と、形も吸い方もちがいます。ゴム乳首のほうが、がんばって吸わなくても、かんたんに出てくるのです。少し吸えば、大量に流し込まれる飲み方に赤ちゃんが慣れてしまうと、お母さんのおっぱいを吸うのをいやがることがあります。「乳頭混乱」という名前がつけられているくらい、よくある現象です。
お母さんのおっぱいは、あごをつかって吸うことで母乳が出ます。そのため、力を使います。でも、あごの力を使うことで、赤ちゃんはあごが発達して将来、歯並びがよくなって虫歯の予防になります。かむ動きと同じなので、離乳食(補完食)の事前の練習にもなっています。かむ動き(こめかみが動いています)は脳に刺激がいき、脳の発達にもいい影響があるそうです。
お子さんは、乳頭混乱を起こしかけている可能性があります。その場合、ほ乳ビンをいったんやめて、スプーンやコップで授乳する方法があります。ソフトカップという、スプーンにほ乳ビンがついたような道具もあります。「カップ授乳」「コップ授乳」で検索すると動画が出てきます。
また、以下の方法を試してみてください。
・まずは粉ミルクを20ccくらいあげて落ち着かせてから、赤ちゃんの口を大きく開けて深く母乳をくわえさせてしっかり飲ませます。母乳のあとに粉ミルクを足すのはナシ。これを1週間くらい続けます。
・慣れてきたら、母乳を先にあげて、粉ミルクはあとから飲ませます。粉ミルクを足す量は1回80cc以下にして、少しずつ減らしていき、30ccくらいまでにしていきます。
・その授乳方法に慣れて粉ミルクの量が30㏄まで減ってきたら、ミルクを足すのを夕方の1回だけに限定します。

「その方法でやってみます」とのことでしたが、その後2回お電話がありました。
1回目は、粉ミルクの量が減ってから便秘が解消したこと。
でもなかなか80cc以下にできず、スプーン授乳を検索してみたらあったので試してみたこと。スプーン授乳は時間はかかるがゴム乳首での飲み方を忘れてくれたのか、母乳の吸いつき方が上手になってたっぷり飲んでいるような気がすることを報告してくださいました。
2回目のお電話では「夕方ミルクを多めにあげることで夜ぐっすり眠ってもらってラクしたいと思っていたのですが、すっかり母乳オンリーに慣れてしまい、夜も2~3回飲ませています。思っていた授乳生活とはちがったわけですが、添い乳を覚えてからは夜中の授乳もさほど苦にならず、粉ミルクを作る大変さからも解放され、順調な母乳育児をしています。
最初に相談したときは不足かと思っていましたが、足し過ぎの可能性も疑ってみてよかったです。ありがとうございました」とのご感想をいただきました。

カルテ3

生後3ヶ月の赤ちゃんがいます。混合育児中。生後1ヶ月くらいから、おっぱいをいやがります。おっぱいを近づけるだけで拒否されてしまい、ほとんど吸いつかないです。

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不足感・不安について:カルテ3

生後3ヶ月の赤ちゃんがいます。混合育児中。生後1ヶ月くらいから、おっぱいをいやがります。おっぱいを近づけるだけで拒否されてしまい、ほとんど吸いつかないです。

やむをえず、3時間おきに粉ミルクを80~100ccあげています。先に粉ミルクを飲ませて、おっぱいも1日に6~7回吸わせていますが、赤ちゃんに泣かれてしまいます。「張らないから出ないおっぱいですね」と、退院のときに病院の人に言われたことも、ショックでした。

でも、助産院でマッサージしてもらったら少し出るのです。赤ちゃんにおっぱいを飲んでもらうにはどうしたらよいでしょうか。

母乳110番より

おっぱいを飲んでほしいのにおっぱいをいやがられて、泣かれるなんてつらいですね。でも大丈夫、そういうママはたくさんいますし、おっぱいを好きになってもらう方法があります。
赤ちゃんはあなたのおっぱいがいやなのではなく、ほ乳ビンのゴム乳首の吸い方に慣らされてしまい、「乳頭混乱」を起こしているだけなのだと思います。
ゴム乳首とちがい、人間のおっぱいは吸うときに40倍ものあごの力を必要とするそうです。だから赤ちゃんは、おっぱいをくわえたときに「これじゃない!(すぐに)出てこないじゃないか!」と泣くわけです。それを回避するには、赤ちゃんに、ゴム乳首でのかんたんな飲み方を忘れていただく以外にありません。少しコツがありますが、よかったら試してみてください。

・粉ミルクは、少しずつ減らします。(できれば80cc以下、徐々に30ccくらいまでもっていく)
・先におっぱいを吸ってもらう。しばらく吸わせて、どうしても泣く場合は粉ミルクをあげる。「先におっぱい、あとから粉ミルク」、この順番を守ってください。授乳間隔があまり空かなくてもいいです。
・また、夜の方が赤ちゃんが寝ぼけていて吸いつきやすいです。夜間授乳はできるだけ、おっぱいのみにします。昼間も、赤ちゃんが眠そうなときに吸わせると、おっぱいを吸ってくれることがあります。
・粉ミルクを足す時は、可能ならスプーン授乳やカップ授乳にして、ゴム乳首(ほ乳ビン)はできるだけ使わないようにします。

たくさんのママたちがこの方法を試して、混合から母乳だけになっています。3ヶ月ならまだまだ母乳を復活できるケースが多いです。
きっと美味しいおっぱいだと思うので、自信を持ってくださいね。なるべくママの身体を冷やさないで、肩、足首などを温めると、おっぱいによいです。肩をまわして血流をよくする、あたたかい番茶やほうじ茶、おみそ汁などを飲んでおなかを温める方法もおすすめです。

「まさか、ゴム乳首に慣れてしまっていたなんて。きっとそうですね、そんな気がします。母乳1本にしたいので、やってみます。」とのことでした。

カルテ4

生後6ヶ月の子と、上に1歳の子が2人(双子)います。今、混合育児です。母乳のみにしたい(上の2人は母乳のみでした)と思っています。

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不足感・不安について:カルテ4

生後6ヶ月の子と、上に1歳の子が2人(双子)います。今、混合育児です。母乳のみにしたい(上の2人は母乳のみでした)と思っています。でも体重の増えが少なくなってきたので、そろそろ離乳食への移行を考え中です。

2ヶ月くらいのとき、1週間だけ、母乳のみにしたら体重が増えなかったことがありました。今、粉ミルクを1日に4回(60㏄ずつ)あげたあとに母乳を飲ませて、それと夜に添い乳で母乳をあげています。
子どもが泣くたびに、最近同居した義母が「母乳が足りないのでは」と言うのでノイローゼです。助産院にも相談したのですがお金がかかるので何度も行かれず、1人で悩んでいます。周囲の人が、だれも「母乳あげたいよね」と言ってくれないのが一番つらいです。

母乳110番より

「だれも『母乳をあげたいよね』、と言ってくれない」、私もそうだったので身につまされます。「母乳をあげたい」なんて、ごくふつうの自然な気持ちだと思うのですが、わかってもらえず、悲しいですよね。
「母乳をあげたい」と言うと、なぜか母親のエゴのように言われたり、「あなたの母乳へのこだわりのせいで赤ちゃんが成長不良になる」なんて言われて責められたり。
そういうときは、できれば、なるべく気にしないようにしましょう。母乳育児をしたい人にとっての、母乳への否定的な意見は世間に山ほどあります。そうした逆風をまともに受けていては身がもちません。また、赤ちゃんを抱きながら説明したり、議論したりするのも大変ですよね。
「ご心配ありがとうございます」と言って気持ちだけ受け取り、無理して言い返さずに右から左に聞き流してもいいです。
自分が理解していることが、自分の支えになります。母乳育児の本を読んだり、母乳講座などに参加してくわしく勉強してみるのも面白いかもしれません。
お子さんは6ヶ月なので離乳食(補完食)をお考えなのですね。「補完食」という呼び名があるのですが、「母乳や粉ミルクをあげながら、食べ物を少しずつあげていく」やり方です。もしお子さんが食べ始めても、母乳はやめなくてよいです。母乳を続けたいですよね。

この方は、このあと、母乳110番のセミナーに参加してくださいました。
「母乳の出る仕組みや、不足を見分ける方法、栄養のことを聞くことができてから義母も理解してくれるようになり、毎日が明るくなりました。次は研修に参加して、私のように悩んでいるママを助ける相談員になりたいと思っています」と、うれしいお便りをくださいました。

2 卒乳

カルテ1

生後11ヶ月の赤ちゃんがいます。先週の土曜日からおっぱいを飲まなくなりました。

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卒乳について:カルテ1

生後11ヶ月の赤ちゃんがいます。先週の土曜日からおっぱいを飲まなくなりました。38度の熱が出て小児科を受診しましたが、とくに感染症などではありませんでした。おしっこの回数が少ないのが気になります。

離乳食は、いつもおかゆがスプ―ン2杯やっとでほとんど口にしません。搾乳した母乳はスポイトで飲みます。ストローやコップ飲みはできません。このまま卒乳になるのでしょうか。

母乳110番より

心配ですね。お水でもよいので、こまめに水分補給をした方がよいと思います。おしっこの回数が増えなかったら、もう一度、どこかの小児科に行くことをおすすめします。

カップ授乳ができないとのことですが、最初は浅い「おちょこ」などで練習するのはどうでしょうか。また、スプーン授乳も試してみるとよいと思います(ネットで検索すると動画が出てきます)。
いきなり母乳を飲ませようとするのではなく、まずは赤ちゃんを優しく抱っこして、ゆっくり話しかけたり、歌を歌ったり、そーっとなでたりして気持ちを落ち着かせましょう。ママも不安だと思いますが、深呼吸してできるだけ心を落ち着けて、ゆったりと座って楽な姿勢で抱っこしましょう。時間をかけて、ママも赤ちゃんもリラックスすると、授乳できることがあります。そうしたら母乳を続けられます。

お子さんが体調をくずすときは、ママも疲れていることが多いです。お子さんを抱っこしてお布団で寝てもいいと思います。

また、お話をうかがうと、お子さんは食への興味が早いわけでもなさそうです。母乳の場合の離乳食は「補完食」と呼ばれていて、母乳を続けながら食べさせてよいと言われています。気持ちを楽にして、卒乳も離乳食も、お子さんの様子を観察しながら(口の中の発達や動き方、興味の様子も見ます)やっていきましょう。

カルテ2

1歳6ヶ月の赤ちゃんがいます。食が細く、離乳食を食べずにおっぱいばかり飲んでいます(1日30回くらい)。病院で「前歯が虫歯になるのでおっぱいをやめてください」と言われました。

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卒乳について:カルテ2

1歳6ヶ月の赤ちゃんがいます。食が細く、離乳食を食べずにおっぱいばかり飲んでいます(1日30回くらい)。病院で「前歯が虫歯になるのでおっぱいをやめてください」と言われました。

また、1歳1ヶ月のとき、別の病気で検査をする機会があり「鉄欠乏症貧血」と言われました。身体は大きい方ですが発達がおそい気がしています。
「2歳以上まではおっぱいをあげていたいな」という気持ちがありますが、「食べなくてかわいそう」とも思って母としては不安です。じつは今月末でおっぱいをやめようと思っていたのですが、本当は自然卒乳したいので踏み切れなくて、悩んでいます。

母乳110番より

「おっぱいが原因で虫歯になる」というのは誤解です。サイト内にある「麻里先生に聞きました~おっぱいへの医学的質問と答え」を読んでみてくださいね。
鉄分については、赤ちゃん用の鉄分補給のシロップがあり、小児科で処方してくれるそうです。
そして「自然卒乳したい」お気持ち。でも、「食べられなくてかわいそう」というお気持ち。とてもよくわかります。
自然卒乳させたママの話を聞くと、2歳半を過ぎると「だんだんお茶がわりの飲み方になって」「言葉が通じるくらい大きくなると、『今日は美味しい』など、おっぱいの味の感想が聞けたりして楽しい」「卒乳したあとも、おっぱいが張らないので、身体が楽」など、メリットをあげる人は多いです。
もちろん「周囲の人にいろいろ言われる」というデメリットもあったりしますが、ナイショであげている人も多く、あげていても実際はそれほど困らないそうです。また、卒乳の世界平均は4.2歳だそうですよ。

「そうなんですか!
栄養さえ、大丈夫なら、本人が承知して自然卒乳するまで授乳してみたいです。」

今は「補完食」と言って、母乳を続けながら食事をすすめていくやり方が推奨されています。無理に母乳をあげる回数を減らさなくてもいいですが、大人が「おいしい、おいしい」と言って楽しそうに食べる姿を毎日、積極的に見せましょう。食べ物への興味を持ってくれると思います。
また、ふつうに炊いたごはんにお塩を少しつけて小さなおにぎりを作ると、食べてくれたりします。お味噌汁をかけたごはんも食べやすいです。
ただ、「泣かせないで卒乳させたい」、「何がなんでも自然卒乳したい」と決めなくてもいいです。
おっぱいの別れどきは、2人が決めること。どちらか片方がやめたくなったら続きません。もしもママが疲れてしまってもうやめたいと思ったら、やめることを考えてもいいと思いますので、それも心にとめておいてくださいね。

カルテ3

生後1ヶ月の子と、1歳7ヶ月の子がいます。母乳のみで育てています。上の子にも授乳しています。

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卒乳について:カルテ3

生後1ヶ月の子と、1歳7ヶ月の子がいます。母乳のみで育てています。上の子にも授乳しています。

「上の子はもう卒乳した方がよいのではないか」と両親が心配して、ネットで「おっぱいと幼児の食事」で検索して母乳110番を知って、相談するように言われました。私自身は別に心配していないのですが、上の子が1歳5ヶ月のときに下の子を出産し、双子のように同時授乳をしています。

下の子の体重は出生時3352グラム、1ヶ月で5320グラムになりました。上の子は赤ちゃん返りして、おっぱいへの執着がすごいです。1日に12回以上、飲んでいます。

母乳110番より

ご両親はあなたのお身体も心配なのでしょうね。ママとお子さんが決めることなので、卒乳は周囲の意見に従わなくてよいと思います(心配してくれてありがとう、と伝えればよいことですから)。
また、栄養に関しては、サイト内にある「麻里先生に聞きました~おっぱいへの医学的質問と答え」を見せてあげてください。きっと安心すると思います。

卒乳は100人いれば100通り。みんなそれぞれドラマがあり、物語があります。あなたとお子さんのストーリーは2人が決めることです。あなたが、「上の子が満足いくまで飲ませたい」と思うのでしたら、そうしていいと思います。とくに今は赤ちゃん返りしている最中ですから、無理におっぱいから引き離そうとすると逆効果になる可能性が高いです。おっぱいの別れどきは、ママと子どものカップルが決めること。当事者以外には、黙って見守ってもらいましょう。

*孫が泣くのを心配した赤ちゃんのおじいちゃんからのお電話でした。途中からママに代わってもらいました。その後おじいちゃんから「栄養のことを知って安心しました。ありがとうございました」と丁寧なお礼状が届きました。

カルテ4

生後7ヶ月の子と、43ヶ月の子がいます。タンデム授乳(きょうだい同時授乳)をしています。

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卒乳について:カルテ4

生後7ヶ月の子と、4歳3ヶ月の子がいます。タンデム授乳(きょうだい同時授乳)をしています。上の子への授乳を続けたいけれど、歯が当たるし痛い。

上の子は1歳半から保育園に行っていますが、ワンオペ状態なので私だけ忙しく、疲れています。子どもをお風呂にも入れず寝かしつけもしないでゲームばかりしているパパに強いストレスを感じています。

イライラしてつい上の子に対して「早く寝てー!」と思ってしまっています。上の子を卒乳させたい気持ちはありますが、本当はそれよりも「自分の気持ちを切り替えて、幸せな気持ちで上の子にも授乳したい」と思っています。どうすればそういう気持ちになれますか?

母乳110番より

歯が当たると痛いですよね。「痛くないように飲んでね」と4歳のお子さんにていねいに頼むのはどうでしょう?痛くなく飲めたら、「それなら大丈夫だよ、ありがとう」と伝えましょう。

上のお子さんにも優しくしたいお気持ちもよくわかります。でも、優しくできないときには「自分、ダメだな」ではなくて「自分、大変なんだな」と思ってほしい。上の子に当たりたくなったときは、まずは自分が休み、自分に優しくすることです。

パパの協力がほとんど得られないとのこと。大変ですね。30分、1時間でもよいので上の子を外に連れ出して預かってもらって、あなたは横になって休むのはどうでしょう。あなたが上の子を連れて外出して、家ではパパに下の子を見ていてもらう、など、きょうだい分離の時間を作りましょう。

「ママが私だけを見ていてくれる時間」があると、たとえそれが少しの時間でも子どもは安心します。絵本を読む、一緒にお店でおいしいものを食べるなど、上の子にとっては「自分だけのママ」がいる時間を作りだすことです。なかなかむずかしいとは思いますが、ファミリーサポートなど、家族以外の人手も探してみましょう。

併せて読みたい:授乳服のモーハウス「卒乳お悩み相談室」

https://mo-house.net/sotsunyu00/

3 乳房トラブル

カルテ1

生後1ヶ月半の子がいます。2~3日前から、おっぱいにしこり、痛みがあります。

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乳房トラブルについて:カルテ1

生後1ヶ月半の子がいます。2~3日前から、おっぱいにしこり、痛みがあります。
最初はずっと搾乳で60ccを一日8回授乳していました。生後1ヶ月くらいから、直飲みができるようになりました。出生時3008g、1ヶ月で3900g。寝る時にミルクを足すことあり(40ccくらい)。

おっぱいの痛みをとるためには何か方法ありますか?しこりは自然にとれるのでしょうか。

母乳110番より

直飲みできるようになるまで、よくがんばりましたね!
でも、しこりと痛み、つらいですね。
母乳は「白い血液」なので、血流がわるいとそこがとどこおり、たまってしまいます。そこで、しこりと痛みがある時は、コリをほぐしてゆっくり休むことです。
保冷剤などで冷やす人もいますが、冷えて収縮した血管が、今度は温まるにつれ膨張してもっと痛くなりますので、それは避けてください。脇腹や足腰を温めるなどして、体全体の血行をよくするのもおすすめです。
初めての授乳生活で、肩がこわばり緊張していらっしゃるのかもしれません。できればパパなど家族に赤ちゃんを預けて、1時間でもいいので、安心してぐっすり睡眠をとること。そのうえで、授乳方法を少し工夫してみましょう。

・今までの抱き方、おっぱいのくわえさせ方を少し変えてみましょう。抱き方はたくさんあります。
・なかでも女王様授乳(後ろによりかかり、いばった姿勢で赤ちゃんの口を自分の乳首にもってくるスタイル)はおすすめ。
・普段飲まない方角から吸ってもらう「360度授乳(※)」も、乳腺のつまりやしこりに、予防と効果があります。
・ママの身体を冷やさないで温かくすること。
・以上をバランスよくケアしてみてください。

「そして、二人三脚の練習のようなつもりで、もうしばらく赤ちゃんと相談しながら練習してみてください。」とお伝えしたところ、後日「抱き方を変えてみたらラクになりました」と、連絡がきました。今のところ、再度しこりにならずに済んでいるそうです。

(すずきともこのブログより引用:
https://ameblo.jp/bonyu-kosodate/entry-12718962888.html

◉併せて読みたい
書籍『赤ちゃんはおっぱい大すき』〜5章:乳腺炎になったら参照〜https://www.amazon.co.jp/dp/4916110943

カルテ2

生後3ヶ月の子どもがいます。母乳のみで育てていますが、乳腺炎を繰り返しています。

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乳房トラブルについて:カルテ2

生後3ヶ月の子どもがいます。母乳のみで育てていますが、乳腺炎を繰り返しています。38度の熱が出て白斑が消えず、1~2日でガチガチになってしまうパターン。子どもに飲んでもらってやっと柔らかくなる感じです。つらいのですが、母乳をやめる気はありません(断乳の時はもっと痛くなるかと思うと怖くて考えられない)。

夫婦とも実家が遠く、手伝ってもらえる人がいませんが、私がそんな状態なので、2回ほど飛行機で母に来てもらったことがあります。でも母も働いていますし、そうそう無理は言えません。乳腺炎をくり返しがちなおっぱいの場合、何か予防法はありますか?

母乳110番より

乳腺炎、痛いですよね。それにママの身体がとても疲れているのではないかと思います。母乳110番には同じようなご相談がたくさんきます。
ワンオペのみなさんが「あ、乳腺炎だ。悪化してしまいそう」と思ったとき、よくやる方法は、他の家事は何もかも放り出して、枕元に食べ物と飲み物を用意し、トイレと食事と授乳以外は起き上がらないで(添い乳ができれば授乳も寝たままでよい)、とにかく休む方法です。

なかなかそれができない人が多いとは思いますが、寝てママの身体を回復させないことにはしこりも痛みも治りませんので、いっとき、無理やりにでも、そういう機会をつくります。その上で授乳方法を変えてみます。

・授乳姿勢が前かがみになると、どうしても乳首に無理な力が加わりがちになります。今までの授乳の姿勢で、ひっぱり飲みやねじり飲み、それに近いことはしていなかったでしょうか。赤ちゃんとママのおへそが正面から向き合うようにふんわり抱っこしてみてください。
・ママはうしろによりかかるなどラクな姿勢をとり、自分の乳首めがけて、そこに赤ちゃんの口をもっていくようにします(赤ちゃんの口に一生懸命自分の乳首を近付けているママが多いのですが、それだと乳首を痛めてしまいます)。
・昼間はもちろん、夜もそうしたラクな形での添い乳をします(角度の調節でバスタオルをまるめて赤ちゃんの背中に置いて支えてもよいでしょう)。
・また、少量で回数をたくさん授乳してみてください(大量で回数少なくではなくて)。

などをお話しして、「でも熱が下がらなかったり、しこりが赤く熱をもって腫れあがってきた時は医療機関にかかってくださいね」とお話しました。
その後、お電話をいただきましたが、乳腺炎になることはほとんどなくなったそうです。しこりはたまにできるけど、悪化しないうちに授乳姿勢に気を付けるようにしているとのこと。

「とにかく休む」に関しては、「枕元に食べ物飲み物を用意してがんばってみましたが、けっきょく台所のことが気になって起きてしまうことが多かったです。でも産後ケアの派遣サービスを頼めることになり、料理を作ってもらっている間、赤ちゃんといっしょに横になっていることができて、そのときはほっとしています」とのことでした。

カルテ3

生後4ヶ月の赤ちゃんがいます。母乳が出過ぎて、乳腺炎が慢性化しています。

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乳房トラブルについて:カルテ3

生後4ヶ月の赤ちゃんがいます。母乳が出過ぎて、乳腺炎が慢性化しています。

訪問の母乳マッサージを週2~3回受けており、お金がかかってそれもつらいです(ひどいときは1日2回)。出生体重は2600グラムでしたが、今は5600グラムあります。乳腺外来で、しこりなどを注射器で抜いてもらったこともありますが、あまり効果がありませんでした。

生後2~3ヶ月のころは、「これから落ち着いてくるだろう」と言われていましたが、少しマシになった程度で状況があまり変わりません。こんな状態で(激痛の胸を抱えて)長時間電車に乗れないし、そもそも抱っこできない。それに子どもが授乳ケープをめくってしまうので、移動時に授乳ができません。そのため里帰り出産だったので、自宅に戻れずにいます。

子どもはおなかがすいたときに飲む感じではなく、出過ぎのおっぱいをむせながら飲んでいる感じです。お金をかけないで自己管理できたらと思っているのですが、方法はありますか?

母乳110番より

せっかくの新居に帰れず、痛む胸を抱えてパパとも別居状態、つらいですね。まずは以下の資料「出過ぎのおっぱいの方へ」をお読みになってみてください。

【母乳が出過ぎる方へ】
「母乳が出過ぎて困っています。しぼらずにいると張って痛いししこりができるし子どもはむせるし、手当を受けても、すぐにまた張ってきてしまいます。」

「母乳が作られる仕組み」
母乳は赤ちゃんが飲むことで、また搾乳したりすることで、出せば出すほどさらに作られます。つまり作った分ぶんだけ生産されるのです。
この場合、赤ちゃんが飲み取る量よりも多く生産されてしまっている状態と思われます。そういうときは片乳を休ませ、徐々に分泌量を低下させていく方法をとります。

具体的には以下のような感じです。

1.授乳のとき、片方の乳房からだけ、おっぱいを飲ませます。授乳後、また飲みたがるようなら、同じ側の乳房から飲ませます。飲みたがらないときは飲ませないようにして、できるだけその片方を休ませる時間を長くとります。

2.張ってどうしても痛いときはしぼってもかまいませんが、できるだけ安静にして休ませます。冷湿布をすすめられることがありますが、氷や冷却シートなどを使うと冷やしすぎ、冷やしたときに縮んだ血管が、温まってくるとき膨張し、さらに痛くなることがあります。*「イモシップ」などの自然の手当てや*「圧抜き」がおすすめです。よかったら試してみてください。

3.3~4時間たってから、次の授乳のとき、反対側の乳房からだけまた飲ませます。

4.これを繰り返すことで、生産過剰な状態だったおっぱいの分泌量を徐々に落としていきます。

5.並行して、*授乳姿勢をチェックします。
できれば赤ちゃんが上を向いておっぱいが流しこまれる姿勢ではなく、たて抱きにしてしっかりおっぱいを吸う形がいいです。赤ちゃんのおへそとママのおへそは向き合っていますか?乳首のねじり飲みやつぶし飲みがないかどうかも見てください。赤ちゃんの口に向かってママの乳首を持っていくのではなく、ママがラクな姿勢でいるところに、赤ちゃんの口を運んでいく形にしてみてくださいね。

6.出過ぎのおっぱいを飲んでいる赤ちゃんは、むせてしまうことが多いかもしれません。授乳前の「前しぼり」でぴゅっと、ほんの少しおっぱいを出してから赤ちゃんにくわえさせるとよいでしょう。(このときに、しっかりしぼるところまでやってしまうと、また生産されてしまいますから、本当に少量にしておいてください。搾乳はもちろん、授乳後の「後しぼり」はしないでください。

7.片乳を休ませていると、そちらは張ってきますよね。乳房が少し張った状態になると、乳汁産生抑制因子という物質が分泌を減らすように働きます。ですから、母乳の分泌を少し減らしたいときは、乳房が少しだけ張った状態になるように、1回の授乳で片方の乳房だけ休ませるといいのです。

8.1~2週間くらいすると、母乳の作られる量と赤ちゃんが飲む量とのバランスが取れ、乳房の状態が落ち着いてきます。

「子が飲み取る量」よりも「母が生産する量」が上回っている、つまり今のあなたの乳房は生産過剰の状態と思われます(そういう方からの相談があまりに多いのでこの資料を作りました)。そこで以下の作戦を行います。

・片乳法の実践(片方の乳房だけ飲ませないようにして、半断乳状態にし、生産量を下げる。下がったころに次はもう片方の乳房も同じことを行う)
・家でできる手当法の実践(サトイモシップやジャガイモシップを貼る方法もあります。昔の人の知恵です。イモ類は水分を吸い取る働きがあります)。
・授乳ケープを使わなくても大丈夫な、工夫された授乳服があります。目の前で授乳しても抱っこしているようにしか見えない(乳首や肌をまったく見せずに授乳できる)のです。ぜひ一度、試着だけでも試してみてください。
・1時間でもよいので赤ちゃんを預かってもらい、美容院や整体、エステなど、授乳から気持ちを離してママの身体のケアをする時間を作ってみてください。

などをお話ししたところ、「片乳法は初めて聞きました。イモシップはネットで見たことがあります。さっそくやってみます」と明るい声になられたのが印象的でした。(出過ぎのケアができる母乳の専門家にかかることができると一番よいのですが、近くにそういう場がない人が多いです

4 授乳のしかた

授乳姿勢は、この30年の間にずいぶん変わりました。 今は「リクライニング法」もしくは「ボジショニング法」と呼ばれるやり方が主流です。「女王様授乳」 とも言いますが、背中にクッションなどを当てて威張ってそっくり返り、楽な姿勢をとった上で、赤ちゃんの口をママの乳首にもっていく方法です。 でも慣れないママは、一生懸命に自分の乳首の方を赤ちゃんの口にもっていこうとしてしまうので、ねじり飲みやつぶし飲みで乳首が切れてしまうケースが多く、しこりが出来たり、一部の乳腺が詰まったりすることもあります。

カルテ1

生後1ヶ月の赤ちゃんがいます。8:00~8:55くらいまで飲み続ける、下ろすと5分後にはもう泣くので困っています。

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授乳の仕方について:カルテ1

生後1ヶ月の赤ちゃんがいます。8:00~8:55くらいまで飲み続ける、下ろすと5分後にはもう泣くので困っています。母乳のあと、げっぷさせないといけないと思うが、これだとできないです。最初の吸いつきはよいのですが、だんだん弱くなる感じです。

母乳110番より

母乳の子の場合、必ずげっぷをするわけではありません。絶対にげっぷをさせないといけないと思い込んでいる人が多いのですが、そんなことはないので、心配いらないと思います。

それにまだ飲む力が弱いので、しっかり深くくわえさせてみてください。それからママの姿勢は背中などにクッションを当てて、胸を張っていばった感じの「女王様」授乳をしてみてください。ママが前かがみになると、どうしてもくわえ方が浅くなりがちです。

飲み終わった後に、しばらく抱っこしてヨシヨシしてから寝かせましょう。
お子さんを布団に下ろしたあと、急に離れると、赤ちゃんがびっくりして泣くことがあります。布団の上で抱っこしたまましばらくママの胸を赤ちゃんのおなかにつけてあたためてあげると、ほっとして落ち着く場合があります。落ち着いたら、そーっと離れてみましょう。

また、丸めたタオルなどを赤ちゃんのひざの下に置いて足を持ち上げて、背中が少し丸くなるようにして寝かせると、落ち着くことがあります。ママのおなかの中にいたときの姿勢に近づけるのです。

カルテ2

生後5ヶ月の赤ちゃんがいます。SSサイズのゴム乳首を使って10分くらいで飲んでいたのですが、その後、最近、通販でしか売っていない、母乳派推薦のゴム乳首のSサイズに変えたところ、5分で飲むようになってしまいました。

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授乳の仕方について:カルテ2

生後5ヶ月の赤ちゃんがいます。SSサイズのゴム乳首を使って10分くらいで飲んでいたのですが、その後、最近、通販でしか売っていない、母乳派推薦のゴム乳首のSサイズに変えたところ、5分で飲むようになってしまいました。1回100cc~150㏄くらいの粉ミルクを足しています。

以前、生後2ヶ月くらいのとき、「カラ吸いしている」と言われました。そのときに添え乳を教えてもらったのですが、「頻回授乳をするのは1ヶ月くらいにしましょう」と言われたので、そんなに年中あげてはいけないものと思い、1日6回くらいの授乳にしています。免疫アップのためにも母乳を少しでも続けたいです。

母乳110番より

赤ちゃんの胃袋はすごく小さいので、母乳育児の場合、少量頻回授乳が基本です。少しの量を何回も(1日10回以上は)飲むことで1日の総量が足りるのです。1日6回に母乳の回数を減らして、粉ミルクの量を増やすことで、母乳の分泌が落ちていっているのではないかと思います。母乳の回数は、1日8回以上あげましょう。10回以上あげる日があっても大丈夫です。

「頻回授乳をするのは1ヶ月くらいにしましょう」というアドバイスは、「長期間、頻回授乳をがんばると疲れてしまうのでは」という配慮だったのだと思います。

「少しでも母乳を続けたい」とのことですから、以下のことに気をつけて授乳してみてください。

・ゴム乳首をSSサイズに戻す。母乳によさそうな名前がついていても、母乳を続けにくくなるゴム乳首があるようです。可能であればスプーン授乳やカップ授乳を試してみる。ゴム乳首のかんたんな吸い方を赤ちゃんにできるだけ忘れてもらいましょう。
・母乳を先に飲ませてミルクはあとにする。赤ちゃんが泣いたら、ゆっくりと話しかけてなだめながら、おっぱいを吸わせる。
・一度にあげる粉ミルクの量を80cc以下に減らす。ギャン泣きして母乳を受けつけない場合には、先に粉ミルクを少しあげて落ち着かせてから母乳、としばらく順番を逆にしてもよい。
・ミルクの量を徐々に減らして30ccくらいまでもっていく。
・混合でも粉ミルクでも母乳育児でも、どれを選んでもよいです(目的は母乳をあげることではなく、楽しく育児して、子どもが育つことなので)。
・この方法は、ママ自身の決意(意外と強い意志)を必要とします。専門家のケアや相談窓口、母乳のママ友など、伴走者を探してみましょう。
・家族の理解があるとママの支えになります。こうした母乳育児情報を見てもらうなどして、できる範囲で母乳育児の正しい知識を得てもらうとママの気持ちが楽になります。

カルテ3

1ヶ月半の赤ちゃんがいます。混合育児中ですが、粉ミルクをつくるのが大変だから、冬までに母乳のみにしたいです。

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授乳の仕方について:カルテ3

1ヶ月半の赤ちゃんがいます。混合育児中ですが、粉ミルクをつくるのが大変だから、冬までに母乳のみにしたいです。

生後1ヶ月を過ぎてから夜の授乳は5時間空いたりしていますが、胸が張って痛いです。昼間は6~7回の授乳で、10分づつ左右あげたあとに、毎回、粉ミルクを60cc足しています(新生児のときも60~80cc足していた)。

いつも同じ向きであげているので背中が痛いです。正しい姿勢を知りたいです。なんとなく、浅い飲み方なのではないかと自分では思っています。それに、あごを使ってごくごく飲む感じが1日に1回くらいしかない。

赤ちゃんがパクパクしなくても、母乳を欲しがっているときがあるのでしょうか?

母乳110番より

ごくごく飲む感じになるようにするには、ママのおっぱいを赤ちゃんに深くくわえてもらいます。乳輪部に赤ちゃんのくちびるが当たるようにします。赤ちゃんのこめかみが動くような、満足感のある飲み方にチャレンジしてみましょう。

夜中に5時間空くと、ママのおっぱいが痛いのですね。そういうときは、もしできれば、3~4時間くらいで赤ちゃんを起こして、おっぱいを吸わせてみましょう。夜中に1~3回くらい授乳すると、ホルモンがよく出て、母乳の量が増えます。
また、まだ1ヶ月半ですし、昼間も回数を増やし、たとえば7~8回以上あげてもいいです。粉ミルクの量を少しずつ減らしたり、夜中は母乳だけにするのも、母乳を増やすことに役立ちます。

また、いつも同じ姿勢で授乳していると、背中が痛くなりますよね。「正しい」授乳姿勢というよりも、ママにとってラクな姿勢を探してみましょう。背中にクッションなどを置いてもたれかかり、ママがラクな姿勢をとって、そこに赤ちゃんの口をもっていくイメージで授乳してみてください。背中の痛みが取れて、固くなった背中がほぐれて血行がよくなると、おっぱいの調子もよくなっていきます。

口をパクパクして欲しがっていなくても、くわえさせていいです。母乳の子の場合、泣きだす少し前のモゾモゾした段階でくわえさせると、うまくいきます。「おなかすいたの?おっぱい飲む?」などと優しく声をかけながら授乳してみてください。

そして、乳首のねじり飲みや引っ張り飲みをしないように気をつけましょう。赤ちゃんとママのおへそが向き合っているかどうか、確認しながら授乳してみてくださいね。

5 離乳食

近年ユニセフとWHOが推奨している「補完食」は、何歳になったからと言って無理に母乳をやめるのではなく、並行して食事を摂っていくやり方です。

カルテ1

生後3ヶ月の赤ちゃんがいます。母乳のみで育てていて、昼間は3時間おきの授乳、夜は6~7時間空いて、よく寝てくれます。4月から働こうと思っていますが、そのころ生後5~6ヶ月なので、一般的に離乳食を開始する時期だと思います。

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離乳食について:カルテ1

生後3ヶ月の赤ちゃんがいます。母乳のみで育てていて、昼間は3時間おきの授乳、夜は6~7時間空いて、よく寝てくれます。4月から働こうと思っていますが、そのころ生後5~6ヶ月なので、一般的に離乳食を開始する時期だと思います。

みなさん、どうされていますか?
どういう生活リズムをとればよいのか教えていただけると助かります。これからのスケジュールが想像できずに困っています。

母乳110番より

母乳育児の場合、無理して早くから離乳食を始める必要はありません。始めてからも、母乳をやめて食事に切り替えるのではなく、母乳を飲ませながら食事もとっていく「補完食」がすすめられています。ユニセフとWHОが推奨している「ゴールドスタンダード」と呼ばれる方法です。

すずきともこ「働きながら母乳育児を楽しむ20のヒント」より
(すずきともこマンガ 光畑由佳コラム NPO法人子連れスタイル推進協会発行)

食への興味が早い子も遅い子もいますので、ペースはちがいますが、みなさん、母乳をあげながら補完食をあげて生活しています。心配しないでくださいね。
幸い同じ市内で今度、母乳ママの集まりがありますので、そちらの情報も紹介します。

後日、「離乳食の開始時期の質問で電話をかけたのですが、ゆっくりお話を聞いていただくうちに、職場復帰をひかえ、『卒乳しなくてはいけないかも』と思いつめていた自分の気持ちに気がつきました。
実際に、母乳育児中のママたちの集まりにも行ってみて、働きながらの母乳育児のコツをいろいろ教えていただき、おかげさまで気持ちがラクになりました。ありがとうございました。」とのお礼状をいただきました。

カルテ2

生後8ヶ月半の赤ちゃんがいます。1日に8~9回、母乳をあげています。体重は月に200グラム増えています。夜は2時間おきに起きて飲む感じです。おすわりとつかまり立ちはします。離乳食はおかゆをあげていますが、スプーンを持っていくと口を開けるものの、あまり食べず、スプーンで遊んでいます。

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離乳食について:カルテ2

生後8ヶ月半の赤ちゃんがいます。
1日に8~9回、母乳をあげています。体重は月に200グラム増えています。夜は2時間おきに起きて飲む感じです。おすわりとつかまり立ちはします。
離乳食はおかゆをあげていますが、スプーンを持っていくと口を開けるものの、あまり食べず、スプーンで遊んでいます。あげるならしっかり与える方がよいのでしょうか。柔らかさはドロドロにしているのですがこのくらいでよいのかどうか。

うんちにそのまま食べたものが出てくるのでちゃんとかめていない、消化していないのだと思います。もっと細かくしないとダメなのでしょうか。麦茶や白湯はあげるべきなのか?

離乳食は遅めにしたいと思っていましたが、6ヶ月のとき保健師さんに「離乳食どう?」と言われて「まだです」と答えたら「すぐに始めないとダメよ!」と言われてしまい、いやな気持ちになりました。「歯が生えてこないうちに、離乳食をするとあまりかまない子になる」と聞いたことがあって心配です。

母乳110番より

あまり食べなくて心配なのですね。お子さんは、きっと美味しいおっぱいをたくさん飲めていて、満足しているのだと思います。
もう少し赤ちゃんの口の中が発達してからの方が、無理なく食べるようになるかもしれません。「しっかり母乳もあげながら」少しずつ食べ物をあげていけば大丈夫です。

かめるようになるか気になるのですね。赤ちゃんがおっぱいを吸う口の動きは、かむ動きと同じだそうです。おっぱいを飲むことが、そのままかむ練習にもなっていて、お子さんはすでに練習ができています。おっぱいを飲んでいるお子さんの、こめかみを見てみてください。飲むときに動いていたら、かむ練習ができています。大人も、ごはんをかんでいるときにこめかみにさわると、動いています。
また、「歯が生えないうちに離乳食を始めるとあまりかまない子になる」というお話ですが、そんなことはないと思います。歯ぐきでかもうとしたりしますから。

うんちにそのまま出てくるということは、おかゆをかんでいないということですが、おかゆは、かむのがむずかしい食べ物です。大人でも、おかゆはやわらかくて、あまりしっかりとかめないですよね。また、おっぱいを飲む赤ちゃんは、乳首のかたさの物を好むそうです。おかゆより、ふつうに炊いたごはんをあげてみてください。そのほうがよく食べたりします。お味噌汁の具や、煮物(めんつゆなど、砂糖が入っていないものがいいです)を少しあげてもいいです。

母乳のお子さんは、歯ごたえのない、やわらかいおかゆや、すりつぶした食べ物は逆にあまり食べたがらないことが多いのです。
麦茶や白湯は、生後6ヶ月を過ぎているので、あげていいと思います。麦茶は体を冷やす作用があるので、夏にあげましょう。涼しい日や、冬は避けましょう。常温のお水もいいです。

子どもは大人のまねをするので、お子さんの前で、ごはんやおかずを楽しそうに、しっかりとかんでいる姿を見せてあげるのもいいです。

カルテ3

10ヶ月の赤ちゃんがいます。離乳食はぞうすいなど、味のあるものが好きです。離乳食メインにして授乳を寝る前だけにしていたときはグチャグチャにしながらもけっこう食べたのですが、授乳の方をメインにするとあまり食べなくなってしまいました。

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離乳食について:カルテ3

10ヶ月の赤ちゃんがいます。
離乳食はぞうすいなど、味のあるものが好きです。離乳食メインにして授乳を寝る前だけにしていたときはグチャグチャにしながらもけっこう食べたのですが、授乳の方をメインにするとあまり食べなくなってしまいました。

おっぱいが大好きで年中飲んでいる様子を見ると「1~2歳になってもこの調子で大丈夫か?」などと心配になってしまいます。授乳を減らした方がよいのか?食後もおっぱいをあげて大丈夫なのか?お聞きしたいです。

母乳110番より

授乳を減らす必要はないと思います。タイミングも食事の前にあげても後にあげても大丈夫です。食事の前後に母乳を飲む子もたくさんいます。母乳は消化を助ける働きがあるので、子どものおなかの健康にもいいです。今は母乳を飲ませながら食事も足していく「補完食」が推奨されています。ユニセフとWHОがすすめている「ゴールドスタンダード」と呼ばれる方法です。(カルテ1のマンガを見てください)。

お子さんにもよりますが、10ヶ月であれば、母乳がメインで食事は少量ということはよくあります。お子さんが元気そうであれば大丈夫ではないでしょうか。

それから1~2歳になると歩くようになり、活動量が増えてお腹がすき、食欲が出て食べるようになる子が多いので安心してください。1~2歳で母乳が大好きな子も、3歳ころには母乳より食べる量のほうが増えていきます。
また、お母さんの胸に抱かれてたっぷりおっぱいを飲んだ子は、心の中に安心感をたくさんたくわえることができます。おっぱいは心の栄養でもあり、生きる力や、優しく落ち着いた心を育てています。

カルテ4

1歳0ヶ月の赤ちゃんがいます。夫は長時間勤務の仕事をしており、私はワンオペ育児をしています。子どもは母乳だけで育ち、9.5キロあります。「この子は食べるのが好きじゃないのかな?」と思うくらい、離乳食をあまり食べません。

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離乳食について:カルテ4

1歳0ヶ月の赤ちゃんがいます。
夫は長時間勤務の仕事をしており、私はワンオペ育児をしています。子どもは母乳だけで育ち、9.5キロあります。「この子は食べるのが好きじゃないのかな?」と思うくらい、離乳食をあまり食べません。食べる意欲がない感じです。3回食になったあたりから便秘になりました。

今は夜中に4~5時間、授乳間隔が空く感じです。お腹がすいて飲むというわけでもなく、ふにゃふにゃ言いながら寝てしまうときもあります。生後6ヶ月くらいからおっぱいは栄養がなくなると聞いて、おっぱいの間隔を空けて、がんばって食べさせようとしてきました。でも、あまり食べないのです。
体重が増えているから栄養は足りているのだとは思いますが、このままでよいのでしょうか。

母乳110番より

「生後6ヶ月くらいからおっぱいは栄養がなくなり、水のようになる」とはよく言われる言葉ですが、そんなことはありません。それは誤解なのです。母乳は、生後6カ月過ぎても、1歳を過ぎても、栄養や免疫が入っています。(「麻里先生に聞きました」を読んでくださいね)

ごはんを少ししか食べなくても体重がしっかり増えているのですから、母乳に栄養やカロリーがしっかりあるのだと思います。安心して母乳を飲ませてください。母乳の授乳間隔は、空けなくていいです。

また、便秘になったときは、消化能力を越える量を食べていた可能性があります。そういうときにも、母乳は消化を助ける作用があるので、お子さんが欲しがったら飲ませるほうがいいと思います。

食べ物は、大人が楽しそうに食べる姿を見せていれば、そのうちに興味をもってまねをして、食べる量が増えていくと思います。無理して食べさせようとすると、お子さんが食事をいやになってしまうことがありますので、いやがってるときは食事を下げて大丈夫です。お子さんが自分から喜んで食べるときを、待ってあげてよいと思います。

カルテ5

1歳1ヶ月の赤ちゃんがいます。病気もほとんどなく丈夫で身体も大きいし、つたい歩きもしているのですが、ごはんを食べてくれません。最初のころ、口の中に入れたけれど欲しがらず、そのあとは、いやがって払いのけます。

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離乳食について:カルテ5

1歳1ヶ月の赤ちゃんがいます。
病気もほとんどなく丈夫で身体も大きいし、つたい歩きもしているのですが、ごはんを食べてくれません。最初のころ、口の中に入れたけれど欲しがらず、そのあとは、いやがって払いのけます。手づかみで食べさせようとしましたが、遊んでるだけで食べてくれず。今は食事させようとすると椅子にすわるのもいやがって拒否します。食習慣がつかないのが心配です。

周りが「離乳食を」「食事のしつけを」とうるさくて、自分でもあせる気持ちがありますが、その反面、「赤ちゃんの前では笑顔でいないといけないのに、無理にすわらせたり食べさせたりしてよいのだろうか?」という迷いもあります。
パパが食べさせようとしたこともあったのですが、「食べなかったよ」と私に子どもをわたしてきて頭にきました。
おっぱいはゴクゴク飲む感じではなく、甘え飲み?でしょうか、本気で飲んでいないような気がします。このままこんなに食べなくて大丈夫でしょうか。

母乳110番より

ママひとりで、がんばっていらっしゃるのですね。本当におつかれさまです。きっと、赤ちゃんは、食事がいやというよりも、食べ物を口に入れられる感覚が気に入らなかったのではないでしょうか?

「また口に何か入れられる」と思うから、椅子にすわるのを拒否するのだと思います。やわらかくて包みこむような感じの乳首を口いっぱいに含み、ごくごく飲む美味しい瞬間を今まで味わっていたのに、まったくちがう感触のものが入ってきたわけです。びっくりしたかもしれません。
また、自分から興味を持って口に入れたのであれば納得がいきますが、欲しがっていないときに口に入れられると、いやになってしまうことがあります。大人も、たとえ大好物でも、欲しくないときに口に入れられたら、いやな気持ちになりませんか。

そこで、今からできることは、お子さんに「食べ物を口に入れてごめんね、食べるのはゆっくりでいいからね」と声をかけ、食事の習慣を急がないことだと思います。3歳ころに習慣がついたらいいや、くらいの気持ちでどーんとかまえるのはどうでしょうか?人生は長いです。お子さんの前で食事の時間は笑顔でいたいですよね。

子どもにだけ食べさせようとするのはやめて、大人が食事をするときに、同席させたり、椅子がいやなら、つかまり立ちでも、歩き回っていてもいいですので、近くにいさせましょう。子どもの前に食事を置いてもいいですが、無理に食べさせない。大人が「美味しいなあ」と大喜びで笑顔で食べる様子を見せることを心がけます。

もしお子さんが欲しそうな様子を見せたら、「あら。食べる?」とさりげなく聞いて、お子さんの前に食べ物をのせたスプーンを出してもいいです。でも、決して口に入れない。お子さんの口の3センチくらい前でスプーンを止め、お子さんが自分から首を動かしてスプーンに近づき、食べようとするまで待ちます。食べようとしなかった場合は、「あら。いらないのね。いいのよ。じゃあ、また今度ね」とスプーンを下げます。そうしているうちに、だんだん、自分から興味を持つようになると思います。まずは、一口から。食べる経験、食べる練習と思って、ゆっくりすすみましょう。

また、お子さんは元気な様子ですから、おっぱいは飲めているのではないでしょうか?動き回っているのに、飲めていなかったら、やせてくるはずですから。

1歳前後はとくに、動き回って刺激を受けた分、落ち着きたくてママのおっぱいを吸うことがあります。おっぱいが心の栄養となっているのです。ひとしきりママの胸でおっぱいを飲んで安心すると、また動き回ったり、あるいは眠くなって寝たりしているのではないでしょうか。心の栄養の分、動き回るようになると一時的に授乳回数が増えることもあるくらいです。

お子さんが食事が楽しい時間だと思ってくれるように、しばらく時間をかけてみてくださいね。やがて、いやな記憶がうすれて、食べようとしてくれると思います。

カルテ6

1歳5ヶ月の赤ちゃんがいます。ふだんは週5で保育園に行っていますが、今は子どもが体調をくずしたので職場を休ませてもらっています。以前はご飯やカボチャなどよく食べてくれていたのに(お肉や魚は食感をいやがりあまり食べない)、体調をくずしてから、おっぱいばかりになってしまいました。

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離乳食について:カルテ6

1歳5ヶ月の赤ちゃんがいます。
ふだんは週5で保育園に行っていますが、今は子どもが体調をくずしたので職場を休ませてもらっています。以前はご飯やカボチャなどよく食べてくれていたのに(お肉や魚は食感をいやがりあまり食べない)、体調をくずしてから、おっぱいばかりになってしまいました。食事をまったく食べられなかったので、おっぱいを欲しがるだけあげていたら1時間おきに飲むようになってしまい、ずっと抱っこの毎日です。職場に復帰してからも、こんなに食べないままだったらどうしよう?と不安です。保育園の先生からは「おっぱいをやめなさい」と言われています。

母乳110番より

そういうこと、ありますよね。体調のわるいときは、おっぱいばかりになって、「とても元の食生活に戻れそうにない」と思ったりするものです。
うちの子もそういうことがありました。お友だちの家でも、そういうことがあったと聞いています。

子どもが病気のときはおっぱいの回数が増えますし、治ってからも1ヶ月以上、その状態が続いたこともありました。でも、保育園にまた登園するようになれば、周囲の子どもたちのまねをして、ちゃんと前の生活リズムになるので大丈夫です。
仕事を休んでいることを考えると、あせってしまうかもしれませんが、気持ちを切り替えて、どうぞお子さんと一緒のおっぱい三昧の休暇を楽しんで過ごしてください。のんびりと昼間も添い寝でおっぱいを上げていていいと思います。

ただ、ママのおなかがすくと思いますので、栄養のある、おいしいごはんをたくさん食べてくださいね。だれかに作ってもらえるといいなと思います。とりあえずお米をたくさん炊いておにぎりにしたり、鍋いっぱいに具だくさんのお味噌汁を作って1日3回飲むのもおすすめです。テイクアウトや宅配を利用してもいいと思います。

保育園では、母乳育児への理解がないようで残念です。まだまだそういうことがありますが、だんだん理解が広まっていくことを願っています。

お子さんの体調がわるいときに、食欲がなくても、おっぱいで水分補給も病人食も兼ねられるわけですから、母乳は素晴らしい子どものお世話ツールでもあります。仕事をしていたらなおのこと、本当に助けられます。周囲の人に「やめなさい」と言われても気にしないで、堂々と続けてよいと思います。

6 母親の身体

カルテ1

生後4ヶ月の子を母乳育児中です。繊細な子のようで、部屋が変わっただけでもすぐ泣くくらいで、とにかくよく泣きます。夜中の授乳がつらくぐっすり休めるときがありません。

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母親の身体について:カルテ1

生後4ヶ月の子を母乳育児中です。
繊細な子のようで、部屋が変わっただけでもすぐ泣くくらいで、とにかくよく泣きます。夜中の授乳がつらくぐっすり休めるときがありません。1日15回〜16回の授乳生活で肩がガチガチに張って疲れています。夫は仕事が不規則で忙しく頼れない。お互いの親も遠く離れており頼める人がいません。

母乳110番より

行政の援助とか、地域の子育て支援相談の機会などはありそうですか?

地区の子ども家庭相談員が来てくれました。
いい人で優しくはあったけれど「赤ちゃんは泣くものだからがんばって」と言われて終わり。保健師さんも「お腹がいっぱいでオムツがキレイなら寝るはず」、それに母乳のことをよく知らない人で「粉ミルクを足してね」とすぐに言うのもつらかった。一時保育を探してみましたが、高額なものしかなくて頼んでいません。

肩こり、つらいですよね。初めての慣れない育児で身体が緊張しきっているのではないでしょうか。
母乳は別名「白い血液」と呼ばれていて、ママの血液から作られるので、血流がわるいとおっぱいにもよくありませんから、まずはママの肩こりをなんとかしたいところです。

・日常でできる身体を温める手当法の紹介
・産後ドゥーラやシルバー人材センターなど、保育以外の人手の情報の提供
・産後ケア入院や産後デイケアをしている施設の情報提供
・整体、マッサージ、鍼灸、美容院など、赤ちゃんを家族などに預けて1~2時間ママの身体を休める方法はないか

などをしばらくお話ししました。

話を聞いてもらえて、ほっとしました。がんばらないで今日相談したなかで日常的にできる範囲のことをやってみます。

カルテ2

生後7ヶ月の赤ちゃんがいます。右側のおっぱいを飲みたがらず、5分で泣きます。マッサージを受けたが「とにかく飲ませなさい」と言われました。

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母親の身体について:カルテ2

生後7ヶ月の赤ちゃんがいます。
右側のおっぱいを飲みたがらず、5分で泣きます。マッサージを受けたが「とにかく飲ませなさい」と言われました。赤ちゃんが欲しがるたびにあげているが、3~4時間の睡眠しかなく、1日中おっぱいの生活。夫は忙しく、おはようからお休みまで1人きりのワンオペ状態。これでいいの?母乳ってこんなに忙しいの?それにママ友がいなくて母乳育児の情報がありません。みなさん、いったいどうやっているのですか?

母乳110番より

一生懸命かがみ込んで赤ちゃんの口に自分の乳首を近づけようとしていませんか?自分はゆったりと、うしろに寄りかかるくらいのラクな姿勢で、そこに赤ちゃんの口をもってくるように、(女王様のように)いばって飲ませてみてください。

・飲ませ方の工夫の提案
・母乳育児の集まり(オフライン、オンライン両方)の情報提供
・他のママたちがどうやっているのか、ワンオペ育児の具体的な技の話題

などをしばらくお話ししました。
「みなさん、そんなふうにしているんですね。貴重な情報をありがとうございました。この際、近所ではなくてもいいので、どこかにつながれる母乳育児のサークルがないかどうか、もっと調べてみます」と話しておられました。

カルテ3

生後3カ月の子と3歳の子を育児中。上の子に発達障害があります。上の子が赤ちゃん返りして授乳のじゃまをしたり、夜中に私の上に飛び降りて起こしたりするので、睡眠不足でフラフラしています。

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母親の身体について:カルテ3

生後3カ月の子と3歳の子を育児中。
上の子に発達障害があります。上の子が赤ちゃん返りして授乳のじゃまをしたり、夜中に私の上に飛び降りて起こしたりするので、睡眠不足でフラフラしています。
パパがたまに私を寝かせようと1~2時間、上の子を連れ出してくれたりもしますが、追いつかず、疲れきって身体が重いです。乳腺炎の治療を受ける間だけでも上の子を預けたいけれど、どうしてよいかわからなくて困っています。

母乳110番より

それは休めるわけがないですね。「熱をもって乳腺炎になりかかっているようだ」とのこと。そちらの専門家探しと行政の支援だけではなく、上の子と同じようなタイプの子がいる親の会などの情報も探してみましょう。

・乳腺炎の、家でできる手当法の情報提供
・地域の助産師で訪問してくれそうなところがないか(助産師会の窓口に聞く)
・発達障害の子をもつ親の会などの情報や、上の子を預かってもらえる仕組みが地域にあるかどうかを調べる

などをしばらくお話ししました。かなり深刻なご様子でしたので、乳腺炎に関しては専門家にかかることを前提に家庭での手当法の相談を。上の子に関しては情報を集めるお手伝いをする約束をして電話を切りました。
(その後、何度かお電話をいただいて情報交換して、ケアを受けることもできてだんだん元気になられました)

7 心の問題

カルテ1

1歳の子がいます。離乳食のむら食いがひどく、食べてくれません。姑には「三回食の習慣をキチンとしつけないからだ」と責められ、実家の母には「いつまでもおっぱいを飲ませているからだ。早く断乳しなさい」と叱られ、落ち込んでいます。

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心の問題について:カルテ1

1歳の子がいます。
離乳食のむら食いがひどく、食べてくれません。
姑には「三回食の習慣をキチンとしつけないからだ」と責められ、実家の母には「いつまでもおっぱいを飲ませているからだ。早く断乳しなさい」と叱られ、落ち込んでいます。私がまちがった子育てをしたのかと思って申しわけないと思っています。

母乳110番より

それはつらいですね。でもご自分を責めないでほしいです。
1歳くらいは、母乳育児が軌道にのり、スムーズに授乳できておっぱいを楽しめる時期でもあります。お子さんにしてみると美味しいおっぱいで満足していて、食べたくないタイミングで離乳食を口に入れられているときがあるのかもしれません。

・離乳食の本当の開始時期(身体の発達:手を口に持っていく動作ができるか→内臓が整っている。口の中の発達:第二臼歯まで生えそろっているか→固形物をかむことができる。心の発達:食への興味があるか→大人のまねをして食べるようになる)の確認
・母乳を飲む口の動きは、かむ練習にもなっているので無理に始めなくても、上記の開始時期の条件が整えば食べ始めること
・ただし、一般論としての離乳食はもっと開始時期が早いので、周囲の人に言われることをうのみにしないで赤ちゃんのペースを優先すること
・大人が楽しそうに食べて見せることで、食に興味を持ち、まねをしようとするので、準備としてママやパパが楽しそうに食べて見せることが重要

などをお話したところ、「しつけの問題じゃないんですね!安心しました」「自分の食事は楽しんで食べて見せるどころか、おっぱいや離乳食が気になって立って急いで食べていました」とおっしゃっていました。
その後のお電話でご自身も食事を楽しめるようになり、お子さんがそれを見てよだれをたらすようになり、ほんのひとくちですが食べるようになったそうです。

カルテ2

4ヶ月の赤ちゃんと10歳の子を育児中です。10年ぶりの出産で、産後うつになり役所にも相談しましたが「市には何もできるすべがない」と言われました。

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心の問題について:カルテ2

4ヶ月の赤ちゃんと10歳の子を育児中です。
10年ぶりの出産で、産後うつになり役所にも相談しましたが「市には何もできるすべがない」と言われました。産後ケア入院したかったのですが行政からの補助金が出ない地区のため、1泊6万円であきらめました。
上の子のときとちがってよく泣きます。四六時中抱っこしていなくてはならず、夜も4~5時間しか寝ない。今までの人生、ギリギリいっぱいまでがんばってきたが、それでも「忍耐が足りない」と怒られることが多かったし、つらいです。精神科のカウンセリングにも通い始めましたが、あまり合わず、どうしてよいかわかりません。

母乳110番より

つらいのに「つらい」と言えないでがまんしていると、余計につらくなってしまいます。しんどいときは助けを求めていいと思います。
助けを求めた相手が「がまんしなさい」と言うような人だった場合は、すぐにちがう人(次)を探しましょう。

・セカンド・オピニオンのすすめ(カウンセラーに限定せず、他の専門家も探してみる)
・他のママがどうしているかの情報提供(5分ともたずに泣く子のママの生活例をいくつかお話ししました)
・自分に合ったストレス解消法

などをお話ししたところ、
「気持ちを聞いてもらえて、思わず泣いてしまいました。でも、泣いたらスッキリしました。つらいときは『つらい』って言っていいんですね」とおっしゃり、いくつか自分に合いそうな専門家にかかることやストレス解消法を試してみると言っておられました。
その後お電話はありませんが、がまんすることをやめて、自分に合った専門家に出会えて、サポートを受けておられるかもしれません(そうであることを願っています)。

カルテ3

2ヶ月の赤ちゃんと、4歳の子がいます。不便な地域に住んでいます。行動範囲がせまいうえに自由がなくて、ストレスがすごいです。

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心の問題について:カルテ3

2ヶ月の赤ちゃんと、4歳の子がいます。
不便な地域に住んでいます。行動範囲がせまいうえに自由がなくて、ストレスがすごいです。

駅から遠く、歩ける距離ではない。免許はあるがペーパードライバーなので自転車を使っています。上の子を遊びに連れて行ってやれないし、自分のことが何もできない。落ち着いてトイレに行くこともできません。行政の支援はショートステイを何度か利用したことがあります。でも足りなくて、イライラして上の子に当たってしまいケガをさせてしまったことがあり、思いつめて虐待防止ダイヤルに相談したこともあります。

母乳110番より

パパは単身赴任中とのこと。一人でよくがんばっておられると思います。もういっぱいいっぱいなんですよね。上の子に当たってしまうのも、ありがちなことで、実はそういう話は少なくありません。どうぞご自分を責めないで、何か方法はないか、一緒に考えていきましょう。

・今の環境をすぐに変えることはむずかしいので、今のままでできることが何かを相談
・一時保育の道があることを伝えてくれた虐待防止のダイヤルに再度相談する
・一時保育に子どもをあずけられたら、おっぱいのケアやママの身体のケアなどをその間に行い、心身ともにママを休ませる方法を考える

などを話し合いました。とても泣いていらっしゃいましたし、緊急性のある感じだったので、何度か連絡をいただくようにしました。
その後、行政の一時保育で週のうち2日くらい上の子をあずかってもらえるようになり、余裕ができて上の子に優しくできるようになったそうです。

8 体重について

母乳不足や離乳食の進み具合の心配など、成長の度合いや栄養不足を疑う場合は、体重だけを気にするのではなく身長や頭囲、赤ちゃんの全体の様子など、他の目安もお話し、そうした赤ちゃん全体をきちんと診てくれる専門家(出来れば母乳育児に理解のある専門家がよい)を受診することをお勧めしています。

併せて読みたい:麻里先生に聞きました

カルテ1

生後6ヶ月の子がいます。うちの子は昼間10数回、夜中2~3回飲んでいます。でも、母親教室で「昼間3~4時間授乳間隔が空くし夜も飲まない子」の話を聞いて不安になり、電話しました。

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体重について:カルテ1

生後6ヶ月の子がいます。
うちの子は昼間10数回、夜中2~3回飲んでいます。でも、母親教室で「昼間3~4時間授乳間隔が空くし夜も飲まない子」の話を聞いて不安になり、電話しました。
体重が半月間、横ばいで増えないため、1日1回粉ミルクを足しています。心配でなりません。生後6ヶ月でも昼間12回も授乳していて平気ですか?
離乳食を始めたら体重は増えますか?

母乳110番より

生後6カ月でも、それ以上の月齢でも、昼間1日10回以上授乳している人はたくさんいます。母乳育児って実は回数を気にしない人の方が多いのです。

・少量頻回授乳のしくみ(吸わせることで量が増えていくので粉ミルクを足すとその分、母乳の生産量が減る)
・赤ちゃんの胃袋は意外と小さい話(生後6ヶ月なら1度に60ccが限度、10~15㏄など可愛い量を飲むときもたくさんある)
・夜中の授乳は、母乳の量を増やす作用がある
・体重が増えなくても、身長や頭囲が増えていれば成長している。体重が増えず、身長が伸びる時期もある。身長、体重、頭囲のどれかが増えていれば安心
・他のママがどうやっているのか?の情報があると安心して育てられるのでそうした母乳育児情報

などをお話ししたところ「そんなに赤ちゃんの胃袋が小さいなんて知りませんでした。それに1日何回も授乳しているお母さんがたくさんいると聞いて安心しました!」とほっとした声で話しておられました。地域に母乳育児の集まりがないかどうか、調べてみるそうです。

カルテ2

生後5ヶ月の赤ちゃんがいます。授乳間隔が短くて不安です。最近、母乳の出る量が減ってきたようで、2時間、いいえ、1時間半もたないこともあります。

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体重について:カルテ2

生後5ヶ月の赤ちゃんがいます。
授乳間隔が短くて不安です。最近、母乳の出る量が減ってきたようで、2時間、いいえ、1時間半もたないこともあります。生後3ヶ月までは混合で、4ヶ月で母乳のみとなりました。

退院後、体重計で毎日量っていますが、体重が増えなくなってきたことが一番不安です。助産師さんに相談したら「授乳間隔を空けなさい」と言われたのですが、欲しがるのにあげないと赤ちゃんが泣くのでむずかしく、けっきょく間隔を空けられません。

母乳110番より

もし医学的に必要なら、粉ミルクを足していいと思います。
ただ、不足感と不安感はちがうのです。
粉ミルクを足す前に、本当に母乳不足かどうかを見きわめてからにしましょう。「体重、身長、頭囲のどれかが増えているか」「肌のつやがいいか」「手足がよく動いているか」など全身の様子を見て、本当に母乳不足かどうか?を判断する医療者を探してみましょう。

・成長不良か?を見きわめてサポートしてくれる母乳育児にくわしい専門家を探す
「麻里先生に聞きました」を読んでくださいね)
・「どうして母乳の量が減ったように感じているのか」を話してもらう(左右交換してから次に出てくるまで5分くらいかかっている。飲み終わってからもう2往復している、など)
・授乳の仕方を工夫してみる提案(同じような例の情報提供)
・体重不安がママに精神的によくない影響を与えている様子なので「心配しなくても大丈夫」と伝える(他のママの例の情報提供)
・授乳間隔は、無理して空けず、赤ちゃんが欲しがったら飲ませてよい。1日に10回以上飲ませている人がたくさんいる

などをお話ししたところ、安心して、授乳方法を工夫したり、母乳育児に理解のある小児科医を探そうかなと思える元気が出たそうです。

カルテ3

生後3週間の赤ちゃんがいます。今は8割が粉ミルクだが、ゆくゆくは母乳だけにしたい。

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体重について:カルテ3

生後3週間の赤ちゃんがいます。今は8割が粉ミルクだが、ゆくゆくは母乳だけにしたい。入院中は半々くらいだった。体重は出生時2820グラム、退院時2500グラム、現在3週間目2700グラムある。
退院のとき体重が減っていたし、2週間健診でも減っていたので6時間ごとに60~70cc、×4回プラス泣いたらおっぱいをあげている。ほ乳ビンで飲ませる前後におっぱいをくわえさせている。少しずつ母乳の出る量が増えている気はするが、量が見えないので不安。

母乳110番より

よくがんばっておられますね。すごいです。ぐんぐん大きくなられていますね。(「麻里先生に聞きました」を読んでくださいね)足りない場合の目安が分かると思います。オムツは1日に何回くらい、ぬれていますか?赤ちゃんの様子はどうですか?

オムツは1日10回くらいぬれています、うんちは3日に1度くらい。赤ちゃんは、手足がよく動いて元気です。

3ヶ月くらいまでは、赤ちゃんもママも、お互いに試行錯誤する時期です。おっぱいを吸われる感覚を覚えて、赤ちゃんのくわえ方を観察してみてください。浅くくわえていないかどうか。引っ張り飲みなど無理な姿勢で授乳していないかどうか。
赤ちゃんにおっぱいを吸われてからしばらくたって、その刺激で母乳がわいてくる感じや、今まで張っていた乳房が張りがなく柔らかくなってきた感覚があることも感じてみてください(落ち着いてくると、乳房は柔らかくなってきたりします)。

いろいろお話ししましたが、お母さんの声が、どんどん明るくなるのがわかりました。
「このまま母乳が減っていき、粉ミルクになるかもしれない」という不安でいっぱいだったそうです。「そうですよね、私たち新米のペアなんですもんね。わからないことは赤ちゃんに相談してみるといいってことですね!」とおっしゃった言葉が印象的でした。

9 食生活について

カルテ1

生後1ヶ月の赤ちゃんがいます。食事制限はしていないが、自分が小麦、卵、大豆アレルギーがあり体質が遺伝していると思うので心配です。

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食生活について:カルテ1

生後1ヶ月の赤ちゃんがいます。
食事制限はしていないが、自分が小麦、卵、大豆アレルギーがあり体質が遺伝していると思うので心配です。授乳によって赤ちゃんにアレルギーが出ることはありますか?授乳期の食事は制限した方がよいでしょうか。

母乳110番より

今、お子さんやママに症状がなければ気にしなくて大丈夫と思います。
予防を考えるのなら、毎日、そればかり食べないように気をつけるのはどうでしょうか。卵や小麦が意外とたくさんの食品に入っているので、卵そのもの、小麦そのもの、大豆そのもの以外に加工品にも気をつけないと、同じ成分を連日摂取する、いわゆる「ばっかり食べ」になってしまうため、そこに気をつけるとよいと思います。卵と小麦と大豆を食べていいですが、「毎日食べない」「1度にたくさん食べない」ようにするのです。
また、赤ちゃんのお肌は洗いすぎないようにしましょう。せっけんを使うのは1日に1回まで。入浴後、保湿剤をぬると予防になるそうです。

カルテ2

生後2ヶ月の赤ちゃんがいます。私はケ―キが大好きで、以前はよく食べていましたが、今は洋菓子系はがまんしています。授乳中は、甘いものや脂っこいものはとらないほうがよいでしょうか。

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食生活について:カルテ2

生後2ヶ月の赤ちゃんがいます。私はケ―キが大好きで、以前はよく食べていましたが、今は洋菓子系はがまんしています。授乳中は、甘いものや脂っこいものはとらないほうがよいでしょうか。

母乳110番より

「これを食べてはダメなのだ」と考えずに、おっぱいの様子を見ながら考えるとよいと思います。とくに困らなければ、少しずつ食べてみてもよいのではないでしょうか。もう少しするとおっぱいも安定してくる時期ですし。
どのくらい食べると調子が落ちるのか?どこまでなら大丈夫なのか?食べて観察して、好きな食事も楽しみながら授乳生活を続けることができます。「食べすぎたかな?では次回はもう少し少なめにしよう」などと、調節できるようになります。ケーキを食べても大丈夫な人も多いようです。個人差があります。
また、「よくかんで食べる」「体調のいいときに食べる」「ケーキや脂こいものは、朝か昼に食べる」「食べたあと、よく動いて発散する」「脂こいものは消化を助ける大根おろしと一緒に食べる」「夜はケーキや脂こいものはできるだけ避ける」など、食べ方や食べるタイミングでも、大丈夫になったりします。少しずつ、試してみてくださいね。

カルテ3

生後2ヶ月の赤ちゃんがいます。私の場合、復職しないといけない職場です。しかも9:30~16:30の時短勤務(通常は8:30~17:00)のため、母乳だけで足りるとわかっていても(人に預けることを考えて)入園前から混合育児にしています。

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食生活について:カルテ3

生後5ヶ月の赤ちゃんがいます。
先日、乳腺炎で受診した母乳外来で「ママ自身の栄養が足りないから乳腺炎になる」と言われてショックです。
確かに子どもが生まれてから忙しくて三食しっかり食べることが減りました。それに、おっぱいが出過ぎるのが怖くてご飯を少なめにしたりしています。でも和食中心の食事で野菜もちゃんと食べています。食事は何を食べればよいのでしょう?

母乳110番より

乳腺炎のいちばん多い原因は、疲労や睡眠不足だそうです。
栄養だけが原因とは考えにくいので、まずは疲れをとり身体を休めることだと思います。家事や育児で忙しい日常の中ではむずかしいかもしれませんが、栄養成分よりもむしろ消化吸収だと思います。胃腸が疲れていると、消化吸収する力も落ちます。消化吸収には、休養と、気持ちの問題が大きいです。1日1回だけでもゆっくり食事がとれるように工夫してみましょう。

・前の晩に作ってトレイに全部並べて冷蔵庫に入れておき、翌朝はチンして食べるだけにしておく
・他の家族に作ってもらう。出して片づけまでやってもらう。ラクチン食事タイムを週1回は作る
・月に1回、1時間でもいいので赤ちゃんを預けて外食させてもらう

こんな工夫をしている他のママの例もありますよ、とお話ししてみたところ、「外食なんて夢かと思っていましたが、月に1回だったらそれを楽しみにがんばれるかもしれません。母に頼んでみます。週1回のパパの方は私の教育しだいかな」と電話口で笑ってくださいました。きっとご自分なりのストレス発散法を見つけられたと思います。

10 職場復帰と母乳育児

カルテ1

生後2ヶ月の赤ちゃんがいます。私の場合、復職しないといけない職場です。しかも9:30~16:30の時短勤務(通常は8:30~17:00)のため、母乳だけで足りるとわかっていても(人に預けることを考えて)入園前から混合育児にしています。

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職場復帰と母乳育児:カルテ1

生後2ヶ月の赤ちゃんがいます。
私の場合、復職しないといけない職場です。しかも9:30~16:30の時短勤務(通常は8:30~17:00)のため、母乳だけで足りるとわかっていても(人に預けることを考えて)入園前から混合育児にしています。
現在、おっぱいを先にあげて粉ミルクを1日8回、40~50ccを足していますが、夜中も足していて、おっぱいがますます出てこなくなっている気がします。何より赤ちゃんがほ乳ビンのゴム乳首に慣れてしまったようで、私のおっぱいをいやがり、乳頭混乱を起こしている気がします。

体重は成長曲線がまん中より、やや下です。このまま粉ミルクだけにしてしまうほうがいいのでしょうか。少しでもおっぱいが出続けるなら混合育児を続けたいと思って悩んでいます。

母乳110番より

乳頭混乱のこともご存じなのですね。母乳のことをよく勉強されてると思いました。お聞きした感じでは、おっしゃる通り、乳頭混乱を起こしてしまっているみたいですね。でも粉ミルクだけにしたいわけではなく、「少しでも母乳育児を続けたい」のですね。

職場復帰のことは、心配しなくても大丈夫です。時短にしろ長時間勤務にしろ、働きながらの母乳育児をしているママは、おおぜいいます。
ぜひ「変則授乳」という方法を試してみてください。


「働きながら母乳育児を楽しむ20のヒント」より
(すずきともこマンガ 光畑由佳コラム NPO法人子連れスタイル推進協会発行)

そして乳頭混乱からの脱出には、飲ませ方を工夫する方法があります。スプーン授乳やコップ授乳を試してみてはいかがでしょうか。ネット上に動画などでやり方が出ていますので、調べてみてください。スプーンやコップは洗うのも楽です。
また、粉ミルクを足すのはできれば、「昼間だけ」で、量は1回30ccくらいまでにしておき、夜、寝る前の授乳や、夜中の授乳はおっぱいだけにすると母乳の分泌が続いていきやすいです。

少しでも出ていたら、混合を続けていけたらいいのではないかと思います。母乳を続けていると、お子さんが感染症にかかりにくく、かかっても短い日数で回復しやすいです。また、短時間で濃厚なスキンシップが取れる方法です。ティースプーン1杯(5cc)の母乳に、免疫細胞が300万個入っているそうです。少量でも気にせず、自信を持って母乳をあげてみてくださいね。

カルテ2

生後7ヶ月の赤ちゃんがいます。母乳育児中ですが、職場復帰を前に「慣らし保育」に通園し始めました。

勤務時間は8:30~16:30(通常は17:45)ですが、通勤時間もあり、10時間くらい授乳しない時間があります。

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職場復帰と母乳育児:カルテ2

生後7ヶ月の赤ちゃんがいます。
母乳育児中ですが、職場復帰を前に「慣らし保育」に通園し始めました。
勤務時間は8:30~16:30(通常は17:45)ですが、通勤時間もあり、10時間くらい授乳しない時間があります。

今は慣らし保育なので15:30に迎えに行くのですが、9:00に哺乳瓶で麦茶を与えられ、15:00に200ccの冷凍母乳を飲ませてくれたそうです。お腹いっぱいにして帰してあげたいという園側の気持ちがあるようですが、迎えに行ったときにおっぱいを飲んでくれなかったのがショックで、保育園に入れたことを後悔してしまいました。

私はすぐにおっぱいが張ってしまいます。その日も張ってしまってつらかったです。働きながら母乳育児をしたいのですが、こんなことで本当にできるでしょうか。「変則授乳」の言葉をネットで探しまくってこちらの相談電話にたどりつきました。ぜひ教えてください。

母乳110番より

そうだったのですね。200ccも飲んでいたら、さすがにすぐには吸いつきませんよね。保育園の先生にも悪気はないと思いますので、「お迎えに行ってすぐに授乳したいこと」「お迎え前は冷凍母乳を与えないでほしいこと」を伝えてもいいのではないでしょうか。冷凍母乳を与えてくれるということは、母乳育児に協力的な保育園だと思います。きっと話を聞いてくださるのではないでしょうか。
実は、他のママたちから、「保育園で無断で粉ミルクを足されてしまった」「せっかくずっと母乳でやってきたのに」「冷凍母乳は扱いません、と断られた」などのご相談があります。
冷凍母乳を受け入れてくれる保育園であれば、希望があります。まだ慣らし保育がスタートしたばかりなのですから、これからいろいろ話し合って相談していけばよいのだ、と気楽に考えましょう。

・変則授乳のやり方は、このページにあるマンガを見てください。私もやりましたし、他の多くのママがこの方法で働きながら母乳育児をしています。時間帯はみなさん、本当にバラバラです。

「変則授乳」は、慣れてくることで、2人が居る環境に応じた、あなたと赤ちゃんのカップルだけのリズムができていく仕組みです。
また、変則授乳が確立するまでは、携帯の待ち受け画面には、赤ちゃんの写真を入れないことがおすすめです。見るとおっぱいが張ってくるママがいるのです。もし張ってきたときは、圧抜きという方法があります。しぼれる環境が職場にあれば、ほんの少しだけしぼってもいいです。たくさんしぼるとまた母乳がわいてきてしまうので、ほんの少しだけ、しぼります。
どうぞ保育園に預けている間は、お子さんの心配はしないで、ご自分の時間を満喫してくださいね。笑顔のママを見てお子さんもきっと喜ぶと思います。

カルテ3

11ヶ月の赤ちゃんがいます。仕事復帰を機に断乳を考えています。1歳ちょうどから保育園に入園の予定ですが、おっぱいを続けると歯並びや虫歯が心配です。

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職場復帰と母乳育児:カルテ3

「11ヶ月の赤ちゃんがいます。仕事復帰を機に断乳を考えています。1歳ちょうどから保育園に入園の予定ですが、おっぱいを続けると歯並びや虫歯が心配です。今は離乳食後、毎回母乳を少しだけ飲んでいます。昼間の飲む量は減ってきている気がしますし、夜中も飲んでいないので「このまま自然卒乳に持ち込んだりはできないかな」と考えています。自然卒乳しなくても、断乳したいです。職場復帰を機に断乳した他のママのお話をうかがいたいです。」

職場復帰を前に断乳を考えるママは、とても多いです。
「長時間預けるためには、粉ミルクにしたほうがいい」「混合にしておかないといけない」と信じている人もたくさんいます。
働く女性が増えた今でも、「夜勤があるから無理」「長時間労働だから無理」「フルタイムだから無理」母乳育児は続けられないと思っているママやご家族が多いですし、医療者の中にも変則授乳について知らない人がおおぜいいますので、無理もないことです。
でも、そんなことはありません。混合でもいいですが、母乳のみの人もいますし、断乳してもいいのですが、母乳を続けることもできます。

「そうなんですか?でも、虫歯や歯並びが心配です。」

よく誤解されているのですが、母乳は虫歯の原因ではありません。(「麻里先生に聞きました」を読んでみてくださいね。)3歳を過ぎて母乳をあげていても、虫歯ゼロの子たちがいるくらいです。
歯並びについては、母乳を飲む動きはあごを発達させるので、歯並びがよくなるそうです。歯並びがいいと歯みがきしやすくなり、将来の虫歯予防にもなります。

「えっ!私が聞いていた話と、逆なんですね?
では、自立はどうですか?1歳くらいで母乳をやめると子どもが自立しやすいと聞いています。」

それも誤解なのです…。母乳育児には、世間からの誤解がいくつもあります。誤解を解きたい。それも、母乳110番を始めた理由のひとつです。
子どもの心の中に安心感がたっぷりたまると、自然に自立していきます。たっぷり抱っこされたり、おっぱいを飲んだりすることが自立の基礎となります。もちろん、お子さんが無理せず自然に1歳くらいで母乳を飲まなくなったら、それでもいいと思いますが。

「えーーー。知りませんでした!
それなら、母乳を続けてもいいのかな…。でも、保育園に通わせながら、仕事しながら母乳をあげるのは、大変な気がします。断乳したほうが楽なのではないですか?」

断乳するほうが楽なのでは?と思いますよね…。ところが、そうとも言い切れないのです。というのも、職場復帰を機に断乳して夜ぐっすり眠れると思っていたのに、夜泣きや、ママの顔を真っ赤になるまでさわる、ママの耳たぶをずっとつかんでいる、などで睡眠不足になり「断乳してラクになったとは、とても思えない」ケースをたくさん見ているからです。夜、寝てくれるお子さんもいるのですが、夜中に起きて泣くお子さんもいます。そういうときに、「おっぱいをあげれば泣きやんで落ち着いたものだったのに、断乳したから、ずっと抱っこして歩き回ったり、夜中にドライブしたりして落ち着かせるしかなくて、かえって大変になってしまった」というママもいました。

「どうしてそんなことになるのですか?」

保育園入園や、ママの職場復帰で、環境が大きく変化しますよね。その変化で不安定なときに、お子さんにとってもママにとっても心のよりどころで、すぐにふれあうことができた「おっぱい」という便利なツールを手放すことは、親子ともにダメージになる場合が多いのです。
どうしても断乳したい場合は、できれば、職場復帰と断乳は少しズラして、やってみることをおすすめしています。たとえば、入園して3ヶ月くらいたって、お子さんが園に慣れてからにするのはどうでしょうか。


「働きながら母乳育児を楽しむ20のヒント」より
(すずきともこマンガ 光畑由佳コラム NPO法人子連れスタイル推進協会発行)

また、断乳したあとは、おっぱいの代わりに、「抱っこ、おんぶをする」「なでる」「おひざにのせて絵本を読む」「手遊びでスキンシップする」など、お子さんの心に安心感がたまることを、たくさんしてあげましょう。

「どっちみち、手がかかるのですね…。それなら、母乳を続けようかな…?子どもの様子を見ながら、しばらく考えてみます。」

カルテ4

1歳2ヶ月の子どもがいます。4月に仕事復帰し、現在朝と夕方時短で勤務時間は9:30~16:15で働いています。朝1回、帰宅後に1回、寝る前に1回、夜中は3時間に1回くらい授乳していますが、母乳の分泌が多くて飲んでもらわないと張ってしまう。

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職場復帰と母乳育児:カルテ4

1歳2ヶ月の子どもがいます。
4月に仕事復帰し、現在朝と夕方時短で勤務時間は9:30~16:15で働いています。
朝1回、帰宅後に1回、寝る前に1回、夜中は3時間に1回くらい授乳していますが、母乳の分泌が多くて飲んでもらわないと張ってしまう。

母乳110番より

バリバリ働きたい気持ちと子どもへの気持ちの板挟み、授乳生活の疲れ、育児と家事と仕事のバランスの悩み。ストレスがたまって当然だと思います。まずは、がんばりすぎないでママがラクになる方法を考えませんか?

おっぱいが張ったときは「圧抜き」という方法があります。指は強く押さえないで、軽くはさむような感じ。息をゆっくり吐きながらします。「え?こんなことで効くの?」と最初はビックリなさるかもしれませんが、たくさんのママたちが実際にやっていますのでぜひ試してみてください。


「働きながら母乳育児を楽しむ20のヒント」より
(すずきともこマンガ 光畑由佳コラム NPO法人子連れスタイル推進協会発行)

それから、仕事と授乳生活のバランスですが、意外なことに「外に出てしまうと子どものことは忘れてしまう」ママも少なくないです。忘れてしまってもいいと思います。
たとえば5日間の出張前に悩んでいた方の場合ですが、「行く前は張って痛くてどうしようもなくなるか、断乳になってしまうか、どちらかだと思っていた。そうしたら出張先は仕事モードで子どものことを忘れていたので張ることもなかったし、だからといって帰宅後に出なくなったりすることもなく、前と同じように母乳育児を続けている」、そんな体験談も聞いたことがあります。

「好きな仕事をもっとしたい」、そういうお気持ちがあるのですね。職場のことについては、私もどうしたらいいかわからないですが、まずは体調をととのえることから始めるのはどうでしょうか?仕事は、体力に比例するそうです。
母乳をあげているママは、意識してごはんをしっかり食べて、栄養を取りましょう。美味しいごはんを食べてくださいね。買ってもいいし、大変な時期は、宅配の食事サービスを利用してもいいと思います。5人お子さんがいる医師の女性の話を聞いたことがありますが、毎晩、家政婦さんに食事を作ってもらったそうです。全部、自分でやらなくてもいいのです。
そして、家事やお子さんの世話をご家族や他の人に頼んだり、ヘルパーさんやベビーシッターさんなどにお金をかけても、ママが休める時間をときどき作れたらいいなと思います。

母乳110番の小冊子、「働きながら母乳育児を楽しむ20のヒント」では、いろいろな働くママのさまざまなケースを載せています。

母乳育児を楽しむ20のヒント

 

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