『改訂版 だれでもできる母乳育児』

『改訂版 だれでもできる母乳育児』

ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナル 
(メディカ出版)

授乳中に薬を飲んでいい?産後うつや病気になったら?
職場復帰するときは?環境汚染の影響は?アレルギーは?
世界各地のママたちの体験談がたくさん

推薦者:すずきともこ

タイトル通り、「だれでもできる」情報が満載。

どんな赤ちゃんでも、どんなお母さんでも、どんな状況でも、「母乳育児をしたい」と思うときには、「あきらめないでいい」「方法があるよ」と伝えてくれる本です。

帝王切開でも母乳育児ができます。双子でも母乳は足りたりします。赤ちゃんの黄疸では、母乳をひんぱんにあげると回復が早いそうです。

他にも、低血糖、小さく生まれた赤ちゃん、ダウン症候群の赤ちゃん、口唇裂・口蓋裂の赤ちゃん、嚢胞性繊維症などの吸収不良疾患の赤ちゃん、フェニルケトン尿症の赤ちゃんの母乳育児の方法が載っています。

ママが薬を飲むとき、障害があるとき、産後うつのとき、糖尿病、てんかんなどの疾患があるとき、豊胸手術を受けたことがあるとき、職場復帰するときの授乳についての情報もたっぷり(*変則授乳については書かれていないですが)。

赤ちゃんが手術などで入院するとき、ママが手術などで入院するときの母乳育児の続け方など、困ったときに頼れます。巻末に索引があり、悩んだときに辞書のように使えます。

子どものしつけ(体罰は不要と書かれていてうれしいです)、上の子のケア、夫の育児のヒントや夫が感じるさびしさについても書かれています!家事のこと、避妊、赤ちゃんを亡くしたママのケア、環境汚染の影響をどうとらえるか、アレルギーのこと。世界各地のママたちの体験談がたくさん掲載されていて励まされます。

母乳のよさを存分に伝えてくれる点がいいところでもありますが、不安になる人もいるかもしれません。そんなときは「1滴でもあげたら、母乳育児」の言葉があることを知ってください(もらい乳でもOKです)。 

また、スリング(布製だっこひも)が授乳しやすく育児しやすいと紹介されていて大賛成ですが、写真がちょっと気になりました。

肩ひもは肩に広げてかけて、赤ちゃんのおでこにキスができるくらいの、高い位置に抱っこする方が楽だからです。

スリングの使い方は「北極しろくま堂」さんのYouTube動画をはじめ、いろいろ情報があるので、ぜひ調べてみてくださいね。

1956年に7人の女性が集まって母乳育児について支え合う集まりを始めて、生まれたラ・レーチェ・リーグ(「ラ・レーチェ」はスペイン語で「乳」の意)。世界各地に広がり、日本でも集まりが行われています。

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