『おっぱいとだっこ』

『おっぱいとだっこ』

竹中恭子(著)
監修:村上麻里(産婦人科専門医)
(PHP研究所)

「母乳110番」に寄せられた“ママたちのリアル過ぎる相談”(例えば義母に断乳を強制されそう、とか!)を、ギュギュッと1冊にまとめた『おっぱいとだっこ』。

推薦者:ちかぞう

著者の竹中恭子さんは乳房トラブルで毎日泣いていた時、相談に乗ってくれる先がどこにも
ないことに絶望。「水道の詰まりは24時間見てくれる先があるのに、どうして母乳はないの
?!」と叫んで「だったら作るもん!」と「母乳110番」を立ち上げた人です。

そして「母乳110番」をスタートするや否や鳴りやまない電話に悲鳴をあげ、「よくある相談を集めて本にすれば、母乳育児の本当の情報が広まって相談が減るんじゃないの?」と『おっぱいとだっこ』を出版したというツワモノでもあります。

「母乳110番」で約30年、ン千人のママたちの「どうしよう!?」に耳を傾けてきただけあって『おっぱいとだっこ』の情報量は“母乳育児のバイブル”と呼ばれているほど。

目次だけ覗いてみても、実体験に基づくアドバイスがてんこ盛りなのがご理解いただけるかと…

第1章 誕生直後のふれあい
第2章 入院中の授乳トラブル
第3章 退院後の不安でいっぱいな時期
第4章 いちばん悩む時期、魔の3か月
第5章 みんな悩んで質問激増、離乳食
第6章 おっぱいをやめたくなる時期
第7章 自然な卒乳をめざして
※その他「困った時の母乳相談Q&A」「家族の食事といっしょにつくれる離乳食レシピ集」等

また産婦人科専門医で「母乳110番」顧問でもある村上麻里先生(お医者で母乳育児の専門家は本ッ当に貴重!)が監修されているので、ネット等にあふれる情報に溺れ「何を信じたらよいのか!?」とパニックになっているママたちにとっては、まさに“救いの舟”といえるのじゃないかしらん。

かといって「母乳でカンペキな子育てを実現するなら〇〇しなさい!」なんていう指南書で
もないのが、この本の有り難いところ。だって世間様から浴びせられる「母親たるもの〇〇すべき!」の波状攻撃に、ママたちは疲れ果てていますから。。。

竹中さんは『おっぱいとだっこ』で母乳育児のメリットとポイントについて解説する一方で
、全てをバッチリこなさなければならないのではなく「母乳は60点主義」と言い切っています。

実は私も3児の母で、竹中さんには度々ご相談をさせてもらっているのですが:
「母乳だってミルクだって、どっちだっていいのよ。だって駅の改札から出てくる人たちを見て『あの人は母乳育ちだな、あの人はミルク』だなんて、区別できる? アハハ~」と、ほがらかに笑い飛ばす竹中さんに何度、肩の荷をドサドサと払い落としてもらったか分かりません。

「ママが笑顔になれる方を選べばいいの。でも『母乳で育てたいな』と思っていても、母乳育児に理解のある医療者って意外に少ないし、ネットで検索すれば本当にイロイロな情報はあるんだけど、信ぴょう性に疑問があるものも少なくないでしょ。だから『母乳で育てたいな』というママやパパたちのために、信頼できる、具体的な方法を届けたい!」

現役ママたちに寄り添い続けてきた竹中さんに言わせると「妊娠期や産後ケアの行き届かな
さは、私が出産した30年前とビックリするくらい変わらない」そうで・・・いまも産後すぐの入院中、あるいは退院後まもないママをはじめ、全国の悩めるママやパパから「母乳110番」へのLINE電話相談が絶えないのだとか。

竹中さんは『おっぱいとだっこ』の「まえがき」で、産後ママの心の内をこんな風に記しています。

“とんでもない間違いをして、赤ちゃんが私のせいで死んでしまったらどうしよう”
“赤ちゃんのいのちをあずかる緊張感は想像以上に大きく、毎日おびえるような気持ち”
“まるで、孤独感に打ちのめされながら、出口のないトンネルを歩いているような気分”

そんな“出口のないトンネルを歩いているような”ママさーんッ!

『おっぱいとだっこ』を親子旅のガイドブックとして、お悩みのラビリンスから脱出を試み
てみませんか。

ところでタイトルの『おっぱいとだっこ』ですが、そこにはとーっても素敵な意味が!:
“おっぱいは本来「乳汁」のことをさすのではありません。お母さんに抱き上げてもらえるか
らだの感覚、やわらかな肌ざわり、心地のよい安心感、やさしい声や噴射する乳汁が口の粘膜にあたる感触と快感、そのすべてが「おっぱい」なのです。だから、赤ちゃんにとっての「おっぱい」と「だっこ」はほんとうはひとつです”

ママたちがこの“おっぱいとだっこ”の“ほんとうの意味”を、笑顔で、じ~んわりと実感
できる幸せいっぱーいなひとときを、赤ちゃんと過ごすことができますように♪

【編集後記】ちなみにこの『おっぱいとだっこ』、初版は春秋社から出され、離乳食の悩みをテーマにした『おっぱいとごはん』と共に何度か増刷。その後、読者の熱い要望に応えPHP研究所から電子出版された超ロングセラーでもあります。スマホやタブレットで読む方は電子版で、紙派の方はオンデマンド(ペーパーバック版)でどうぞ☆

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