⑧体重について

体重について:カルテ1

生後6ヶ月の子がいます。
うちの子は昼間10数回、夜中2~3回飲んでいます。でも、母親教室で「昼間3~4時間授乳間隔が空くし夜も飲まない子」の話を聞いて不安になり、電話しました。
体重が半月間、横ばいで増えないため、1日1回粉ミルクを足しています。心配でなりません。生後6ヶ月でも昼間12回も授乳していて平気ですか?
離乳食を始めたら体重は増えますか?

母乳110番より

生後6カ月でも、それ以上の月齢でも、昼間1日10回以上授乳している人はたくさんいます。母乳育児って実は回数を気にしない人の方が多いのです。

・少量頻回授乳のしくみ(吸わせることで量が増えていくので粉ミルクを足すとその分、母乳の生産量が減る)
・赤ちゃんの胃袋は意外と小さい話(生後6ヶ月なら1度に60ccが限度、10~15㏄など可愛い量を飲むときもたくさんある)
・夜中の授乳は、母乳の量を増やす作用がある
・体重が増えなくても、身長や頭囲が増えていれば成長している。体重が増えず、身長が伸びる時期もある。身長、体重、頭囲のどれかが増えていれば安心
・他のママがどうやっているのか?の情報があると安心して育てられるのでそうした母乳育児情報

などをお話ししたところ「そんなに赤ちゃんの胃袋が小さいなんて知りませんでした。それに1日何回も授乳しているお母さんがたくさんいると聞いて安心しました!」とほっとした声で話しておられました。地域に母乳育児の集まりがないかどうか、調べてみるそうです。

体重について:カルテ2

生後5ヶ月の赤ちゃんがいます。
授乳間隔が短くて不安です。最近、母乳の出る量が減ってきたようで、2時間、いいえ、1時間半もたないこともあります。生後3ヶ月までは混合で、4ヶ月で母乳のみとなりました。
退院後、体重計で毎日量っていますが、体重が増えなくなってきたことが一番不安です。助産師さんに相談したら「授乳間隔を空けなさい」と言われたのですが、欲しがるのにあげないと赤ちゃんが泣くのでむずかしく、けっきょく間隔を空けられません。

母乳110番より

もし医学的に必要なら、粉ミルクを足していいと思います。
ただ、不足感と不安感はちがうのです。
粉ミルクを足す前に、本当に母乳不足かどうかを見きわめてからにしましょう。「体重、身長、頭囲のどれかが増えているか」「肌のつやがいいか」「手足がよく動いているか」など全身の様子を見て、本当に母乳不足かどうか?を判断する医療者を探してみましょう。

・成長不良か?を見きわめてサポートしてくれる母乳育児にくわしい専門家を探す
「麻里先生に聞きました」を読んでくださいね)
・「どうして母乳の量が減ったように感じているのか」を話してもらう(左右交換してから次に出てくるまで5分くらいかかっている。飲み終わってからもう2往復している、など)
・授乳の仕方を工夫してみる提案(同じような例の情報提供)
・体重不安がママに精神的によくない影響を与えている様子なので「心配しなくても大丈夫」と伝える(他のママの例の情報提供)
・授乳間隔は、無理して空けず、赤ちゃんが欲しがったら飲ませてよい。1日に10回以上飲ませている人がたくさんいる

などをお話ししたところ、安心して、授乳方法を工夫したり、母乳育児に理解のある小児科医を探そうかなと思える元気が出たそうです。

体重について:カルテ3

生後3週間の赤ちゃんがいます。今は8割が粉ミルクだが、ゆくゆくは母乳だけにしたい。入院中は半々くらいだった。体重は出生時2820グラム、退院時2500グラム、現在3週間目2700グラムある。
退院のとき体重が減っていたし、2週間健診でも減っていたので6時間ごとに60~70cc、×4回プラス泣いたらおっぱいをあげている。ほ乳ビンで飲ませる前後におっぱいをくわえさせている。少しずつ母乳の出る量が増えている気はするが、量が見えないので不安。

母乳110番より

よくがんばっておられますね。すごいです。ぐんぐん大きくなられていますね。(「麻里先生に聞きました」を読んでくださいね)足りない場合の目安が分かると思います。オムツは1日に何回くらい、ぬれていますか?赤ちゃんの様子はどうですか?

オムツは1日10回くらいぬれています、うんちは3日に1度くらい。赤ちゃんは、手足がよく動いて元気です。

3ヶ月くらいまでは、赤ちゃんもママも、お互いに試行錯誤する時期です。おっぱいを吸われる感覚を覚えて、赤ちゃんのくわえ方を観察してみてください。浅くくわえていないかどうか。引っ張り飲みなど無理な姿勢で授乳していないかどうか。
赤ちゃんにおっぱいを吸われてからしばらくたって、その刺激で母乳がわいてくる感じや、今まで張っていた乳房が張りがなく柔らかくなってきた感覚があることも感じてみてください(落ち着いてくると、乳房は柔らかくなってきたりします)。

いろいろお話ししましたが、お母さんの声が、どんどん明るくなるのがわかりました。
「このまま母乳が減っていき、粉ミルクになるかもしれない」という不安でいっぱいだったそうです。「そうですよね、私たち新米のペアなんですもんね。わからないことは赤ちゃんに相談してみるといいってことですね!」とおっしゃった言葉が印象的でした。